質問主意書

第166回国会(常会)

質問主意書


質問第三五号

米軍再編計画に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年五月十六日

大田 昌秀   


       参議院議長 扇 千景 殿



   米軍再編計画に関する質問主意書

 平成十八年五月一日、日米安全保障協議委員会は、普天間飛行場代替施設の建設や在沖米軍海兵隊のグアムへの移転、土地の返還等を内容とする「再編実施のための日米のロードマップ」を公表した。今回の米軍再編について内閣総理大臣を始め政府の関係者は国会答弁等において幾度となく、「その目的のひとつは沖縄の基地負担の軽減である」と強調してきた。したがって、日本政府は、沖縄県内の各自治体や県民の要望や声に真摯に耳を傾けてしかるべきだと考える。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 普天間飛行場移設計画について

 1 政府は、普天間飛行場の移設計画として、名護市辺野古へのV字型滑走路建設を決定している。本年四月二十三日付けの沖縄地元紙の報じるところによれば、沖縄県知事は沖合展開を希望しているとのことだが、政府は同移設計画を修正する用意はあるか明らかにするとともに、修正可能な場合あるいは不可能な場合の理由を示されたい。
 2 今回の米軍再編計画全体の中で、普天間飛行場移設計画はどのような意味と目的を持つのか、政府の見解を示されたい。
 3 本年四月二十二日の宜野湾市長選挙で「米軍再編でグアムに移転する在沖縄米海兵隊約八千人に米海兵隊普天間飛行場の航空部隊二千四百人を含めるべきだ」などとして普天間の部隊の海外移転を主張した伊波洋一市長が再選された。政府は、この民意をどのように受け止めているのか、とりわけ普天間の航空隊も合わせてグアムに移転させるべきだとの主張に対して、見解を示されたい。

二 在沖米軍のグアムへの移転について

 1 在沖米軍受入れについてのグアム島住民の世論について、政府はどのように把握しているのか明らかにされたい。
 2 在沖米軍のグアムへの移転は、グアム州政府の責任において行われるのか、あるいは米国政府の責任において行われるのか、責任の所在を明らかにされたい。
 3 沖縄には「他人に痛めつけられても眠ることができるが、他人を痛めつけては眠ることはできない」ということわざがある。今回のグアムへの米軍基地移転は、グアム島民に対して新たな基地負担を負わせることになり、我々日本人としては、他人を痛めつける行為と言えないか、政府の見解を示されたい。

三 在沖米軍基地の削減計画について

 在日米軍再編計画の一環として、米空軍嘉手納基地以南の六施設の削減を合意しているが、この事案の実施に向けて、日米間でどのように協議が進んでいるのか、現状を明らかにされたい。

  右質問する。