質問主意書

第166回国会(常会)

質問主意書


質問第五号

柳澤厚生労働大臣の「子どもは二人以上持つのが健全」との発言に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年二月九日

松井 孝治   


       参議院議長 扇 千景 殿



   柳澤厚生労働大臣の「子どもは二人以上持つのが健全」との発言に関する質問主意書

 柳澤伯夫厚生労働大臣は、二月六日の記者会見において「若い人たちというのは、結婚をしたい。それから子どもも二人以上持ちたいと、極めて健全な状況にいるわけです」と発言されている。確かに少子高齢化の折、総人口の維持に一定数の子どもの数が必要であることも理解できるし、若い人々が一般的に二人以上の子どもを持ちたいという希望を持っておられることを歓迎する心情は十分に理解できるものであるが、子どもを産みたくても産めない個々のご事情や、様々な個々人の価値観や、社会的経済的に夫婦等が置かれた環境などを勘案すれば、二人以上の子どもを持ちたいという希望が「健全」との趣旨の発言は穏当を欠くのではないかと思料する。同時に、厚生福祉行政をあずかる大臣としては、特に、本来二人以上の子どもを持ちたいけれど、諸事情により持てないとご本人達が考え、二人以上持ちたいと答える状況になかった人々の社会的経済的障害などの除去につとめるのが本務であるにもかかわらず、「健全」発言を撤回されないのは、それらの方々の苦悩や課題に対する配慮を欠いた発言として重大な問題を内包するのではないかと考える。
 そこで、以下質問する。

一 記者会見で発言した「健全」という用語の定義を政府として明らかにされたい。また、広辞苑によれば、健全とは「①心身ともにすこやかで異常のないこと。たっしゃ。②ものごとに、欠陥やかたよりがないこと。堅実であぶなげがないこと」と表記されているが、基本的にはこの解釈を踏襲するのか、政府の見解を示されたい。

二 「二人以上」が健全である理由を明らかにされたい。また、子どもが二人未満、すなわち子どもを一人しか持っていない、若しくは全く持っていない家庭や個人が不健全であると考えるのか、政府の見解を示されたい。また、その場合の不健全、ないし健全でない状態の定義も示されたい。

三 「二人以上」の子どもを持ちたいという希望がありながら、諸事情により、そのことがかなわないと考え、あるいは、あきらめ、そのような希望を表明していない個人等も不健全と判断しているのか、政府の見解を示されたい。また、その場合の不健全、ないし健全でない状態の定義も示されたい。

四 子どもが二人未満、すなわち子どもを一人しか持っていない、若しくは全く持っていない家庭や個人を作り出している原因を明らかにされたい。また、その原因を除去するための政策、財政措置、達成目標、これまでの達成状況について、それぞれ具体的な数値を用いて示されたい。

  右質問する。