質問主意書

第166回国会(常会)

質問主意書


質問第四号

規制改革会議に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年二月六日

櫻井 充   


       参議院議長 扇 千景 殿



   規制改革会議に関する質問主意書

 昨今、政府は、質問主意書に対し七日以内に答弁するものの、答弁が粗く、質問に正面から答弁しないことが多い。私が提出した「政府における政策決定の補佐を行う政策会議等に関する質問主意書」(第一六五回国会質問第三〇号)(以下「前回質問主意書」という。)に対する答弁は典型例であり、正に木で鼻をくくるようなものであった。このような答弁は全く認めがたいので、改めて質問をする。なお、更に質問することとなるので、「お尋ねの趣旨が不明」、「お答えすることは困難である」との旨の答弁は避けられたい。

一 規制改革・民間開放推進会議(以下「旧会議」という。)は本年一月二十五日に廃止され、新たに一月二十六日に規制改革会議(以下「新会議」という。)が設置された。その新会議のホームページでは、旧会議の企画委員会やワーキンググループの議事録について、すべては公開されていない。旧会議の企画委員会及びワーキンググループについて、すべての議事録は存在するのか明らかにされたい。

二 旧会議の企画委員会やワーキンググループのすべての議事録が存在するのであれば、これまでに行われた議事の議事録をすべて公開されたい。また、公開ができないのであれば、公開できない理由を詳細に示されたい。

三 一において、仮に「存在しない」という答弁をするのであれば、議事録が存在しない理由を明確にされたい。議事録が存在しない場合、旧会議の企画委員会やワーキンググループでの議論の結果は、何を根拠に信頼するものとなるのか。また、議事録を作成しないということは、憲法第十五条、国家公務員法第九十六条第一項、国家公務員倫理法にそれぞれ規定している、国家公務員は国民全体のために奉仕しなければならない旨の条文に反するのではないか。それぞれ政府の見解を示されたい。

四 今までの旧会議に諮られた案件すべてを列挙されたい。さらに、それぞれの案件に対し、どの委員が賛成し反対したのか、また、どの委員が積極的に意見を述べたか一覧表で明らかにされたい。回答できない場合はその理由を示されたい。

五 新旧会議において、委員の出自である業界・会社へ利益をもたらすような賛否・意見がなされた場合、委員自身が規制する側と規制される側の両面性を持つことが、利害の抵触に当たらないのか。当たるのであればどのような対処を行うのか。対処をしないのであればその理由は何か。それぞれ明らかにされたい。

六 新旧会議には、委員自身が規制する側と規制される側の両面性を持つことによる利害の抵触を防ぐための運営ルールは存在するのか。存在しないのであれば、新旧会議はコンプライアンスが確保されていると考えるのか。「確保している」、「確保していない」どちらかで答えられたい。また、「確保している」というのであれば、コンプライアンスが確保されていると言える制度面での理由を示されたい。

七 前回質問主意書一の4で、政策会議等の構成員は誰が選ぶのかとの質問を行っているにもかかわらず、政府は全くそれを無視した答弁を行っている。新旧会議の構成員の人選は誰が行っているのか明確に示されたい。

八 新旧会議の構成員はどのようにして選んだのか。「適切な人」、「優れた人」から選ぶという答弁であれば、その要件をそれぞれ明確に示されたい。

九 前回質問主意書一の5で、国会が政策会議等の政策決定過程に関与できない仕組みについて、国民は認めていると考えているのかと質問しているにもかかわらず、なぜ「認めている」あるいは「認めていない」と明確に答弁しないのか。新旧会議の在り方について国民は認めていると考えているのか。政府の見解を明確に示されたい。

十 最近の政治の流れを見ていると、新旧会議での決定事項は極めて重要な地位を占めている。このように、政策決定において重要な地位を占める機関の設置は、政令ではなく法律で定めるべきであり、構成員の人事についても国会の同意人事とすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。また、内閣としてそのような法律案を提出する考えはないか。政府の見解を示されたい。

十一 前回質問主意書三の2で、宮内氏は規制改革に関し優れた識見を持つから議長を務めた旨を答弁しているが、平成十八年十月十九日に旧会議の議長に選任されなかったのは、後任の議長が宮内氏より規制改革に関する識見が優れているということか。政府の見解を示されたい。

十二 前回質問主意書五の1で、一九九六年の米国政府の日本政府に対する年次改革要望書(以下「要望書」という。)において、政策会議等の在り方に関し、米国が内政干渉ともいえる要求をしてきたことについて、政府は米国に対し抗議を行ったのかと質問しているにもかかわらず、答弁ではそれに触れていない。政府は米国に対し抗議をしていないという理解でよいのか。抗議をしていないのであれば、その理由について明らかにされたい。

十三 前回質問主意書五の2で、要望書の要求を受け入れるのであれば、政府は米国に対し同様の要求を行っているのかと質問しているにもかかわらず、答弁ではそれに触れてはいない。政府は米国に要求はしていないという理解でよいのか。要求していないのであれば、その理由について明らかにされたい。

十四 新旧会議の人選や決定事項等を踏まえると、委員自身が規制する側と規制される側の両面性を持つことによる利害の抵触が見られるのではないかという声をよく聞くものの、現在、政府はそのような立場に立っていない。現在のやり方は、一部の企業の利益にはつながるが、国益になるとは思えない。この点に関して、政府の見解を示されたい。また、官僚政治は、極めて客観的な立場に立って制度を構築してきたものの、様々な圧力により、その方向性が歪められてきた。一連の規制改革に関する会議の存在は、このような圧力を合法化しているにすぎないと考えるが、心ある官僚はどのように感じているのか、政府の認識を示されたい。

  右質問する。