質問主意書

第166回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

安倍内閣総理大臣の片仮名言葉の多用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年二月五日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   安倍内閣総理大臣の片仮名言葉の多用に関する質問主意書

 安倍内閣総理大臣は、今国会の施政方針演説において「戦後レジーム」、「カントリー・アイデンティティ」など片仮名言葉を多用した。このような片仮名言葉の濫用は、日本の内閣総理大臣による重要な国会演説にふさわしくないと考える。
 そこで、以下質問する。

一 安倍内閣総理大臣が、「(戦後)体制」という日本語を使わずに、あえて日本人一般に分かりにくい「(戦後)レジーム」という片仮名言葉を用いることは、有権者に対し政治姿勢を真剣かつ明確に伝えるという、内閣総理大臣が当然果たすべき努力を怠っている証左とも受け止められる。安倍内閣総理大臣の見解を示されたい。

二 安倍内閣総理大臣が、「(戦後)体制」でなく「(戦後)レジーム」をあえて用いる目的を明らかにされたい。また、「レジーム」に特別な意味を持たせているのであれば、その意味を明らかにされたい。

三 安倍内閣総理大臣が用いた「カントリー・アイデンティティ」という片仮名言葉は、英語圏で通例用いられる表現なのか。また、この表現の出典を明らかにされたい。

四 英語には「ナショナル・アイデンティティ」という言葉があるが、安倍内閣総理大臣は「ナショナル・アイデンティティ」と同様の意味で「カントリー・アイデンティティ」という言葉を用いたのか、明らかにされたい。

五 私は日本人議員、有権者として、日本語に十分置き換えられる用語を内閣総理大臣が片仮名言葉として乱発するのを好ましいとは思わない。今後、片仮名言葉を必要最小限にとどめる考えはないか、明らかにされたい。

六 安倍内閣総理大臣の持論は「美しい国」創りだが、「美しい国」には「美しい日本語」が不可欠だと考える。片仮名言葉を多用した安倍内閣総理大臣の日本語は、「美しい日本語」と呼べるのか、見解を示されたい。

  右質問する。