質問主意書

第165回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三三号

内閣参質一六五第三三号
  平成十八年十二月十九日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員紙智子君提出矢臼別演習場内風蓮川水系のイトウ保全対策に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出矢臼別演習場内風蓮川水系のイトウ保全対策に関する再質問に対する答弁書

一の1について

 御指摘の「平成十年度の魚介類調査」は、風蓮川支流でのダムの建設の事業一般における魚道設置に関する判断の資料を得るため行ったものであるが、先の答弁書(平成十五年三月十四日内閣衆質一五六第一七号)別表一及び別表二「二 別海矢臼別大演習場」においては、個別のダムの建設に伴う周辺地域の動植物の生息等に及ぼす影響を把握するため行った調査について述べたものである。

一の2について

 「平成十年度の魚介類調査」において、イトウが確認されたのは、別海矢臼別大演習場(以下「本演習場」という。)外の風蓮川本流においてであった。

一の3、四の1及び2、五の5並びに六の1及び2について

 札幌防衛施設局としては、御指摘の報告書について公表していないが、本演習場内の風蓮川支流においてイトウが確認されなかったことから、特にその保護対策を講じなかったものである。
 いずれにせよ、札幌防衛施設局としては、平成十八年九月二十一日に自然保護団体の案内でイトウの生息を過去に確認したとされる場所の確認を行った四河川について、平成十九年度のイトウが遡上する時期等に、有識者等の意見を踏まえて調査を行いたいと考えており、また、三郎川流域第六号ダムその他の地域についても、必要があれば、調査対象に加えることを考えている。
 風蓮川水系における魚介類の保護については、札幌防衛施設局としては、矢臼別演習場・別寒辺牛川水系土砂流出対策等検討委員会(以下「検討委員会」という。)での検討結果をも踏まえつつ、別海町と調整の上、適切に対応してまいりたいと考えている。

二の1について

 札幌防衛施設局においては、本演習場におけるダムの建設の事業の実施に当たっては、事前に本演習場からの土砂流出の影響を検討するため、水質調査として浮遊物質量を調査しており、昭和五十九年度に取りまとめられた報告書によれば、風蓮川の本演習場下流部で浮遊物質量が一リットル当たり百四十ミリグラムとされている。

二の2について

 札幌防衛施設局としては、別寒辺牛川水系における土砂流出対策について、検討委員会での検討結果を踏まえ、発生源対策の事業計画を策定することとしている。また、風蓮川水系における土砂流出対策については、検討委員会での検討結果をも踏まえつつ、別海町と調整の上、適切に行ってまいりたいと考えている。

三の1について

 お尋ねの「低気圧による影響、被害の調査」がどのようなものを意味するのか必ずしも明らかでないが、本演習場内における平成十八年十月七日及び八日の大雨による影響については、札幌防衛施設局において、必要な範囲内で、現地で目視により安全の確認を行い、問題がない旨を確認している。

三の2について

 札幌防衛施設局としては、本演習場内の三郎川におけるダムの建設は、本演習場から三郎川に流出する土砂により生じる障害を防止し、又は軽減することを目的として実施しているところ、本演習場内におけるダムの建設に当たっては、周辺の環境に十分配慮して工事を行うこととしている。

五の1について

 札幌防衛施設局においては、一の1についてで述べた「平成十年度の魚介類調査」で、風蓮川支流である三郎川流域についても調査を行っている。

五の2について

 札幌防衛施設局においては、一の1についてで述べた「平成十年度の魚介類調査」の結果を踏まえ、サクラマスも含む魚介類等への影響も考慮し、別海町と調整を行った上で、三郎川流域第六号ダムについて計画したものである。

五の3について

 札幌防衛施設局においては、平成十一年度に本演習場内の三郎川流域における植生の状況を踏まえた土砂流出に関する調査を行っている。

五の4について

 三郎川流域第六号ダムに係る取付道路工事の面積は約九千二百平方メートルであり、樹木の伐採については、伐採本数で把握しているところ、その本数は約千二百本であり、ダム建設面積は約二千三百平方メートルである。