質問主意書

第165回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二○号

内閣参質一六五第二○号
  平成十八年十一月二十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員喜納昌吉君提出路上生活者の実態と政府の取組に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員喜納昌吉君提出路上生活者の実態と政府の取組に関する質問に対する答弁書

一について

 全国のホームレスの数については、厚生労働省において、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(平成十四年法律第百五号。以下「法」という。)第十四条の規定に基づき、平成十五年一月から二月にかけて、法第二条に規定するホームレス(以下単に「ホームレス」という。)の実態に関する全国調査(以下「全国調査」という。)を実施し、その結果を同年三月に公表するとともに、同省のホームページに掲載している。
 なお、現時点における全国のホームレスの数については把握していないが、厚生労働省において、平成十九年一月に全国調査を実施する予定である。

二について

 平成十五年一月から二月にかけて実施した全国調査におけるホームレスからの回答としては、路上生活に至った理由として、「仕事が減った」が最も多く、次いで「倒産・失業」、「病気・けが・高齢で仕事ができなくなった」となっている。

三について

 お尋ねの数については、把握していない。

四について

 ホームレス対策については、平成十一年五月に関係省庁及び関係地方公共団体からなるホームレス問題連絡会議において取りまとめた「ホームレス問題に対する当面の対応策について」及び平成十五年七月に法第八条に基づき策定された「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」(平成十五年厚生労働省・国土交通省告示第一号)に基づき、ホームレスの就業の機会の確保、安定した居住の場所の確保、保健及び医療の確保、生活に関する相談及び指導、自立支援等に係る施策を実施してきたところである。
 また、ホームレス対策に係る予算としては、平成十八年度においては、就業の機会の確保に係る施策について日雇労働者等技能講習事業等に約十一億九千百万円、保健衛生の向上に係る施策についてホームレス保健サービス支援事業に約千万円、自立支援に係る施策についてセーフティネット支援対策等事業費補助金百五十億円の一部を予算計上している。

五について

 政府としては、法第十三条の趣旨を踏まえ、地方公共団体におけるホームレスの自立の支援等に関する取組を支援するため、四についてで述べた予算措置等を講じているところである。
 また、地方公共団体においては、法第十二条の趣旨を踏まえ、地方公共団体、民間団体、地域住民等の間でホームレスに関する各種の問題点等について議論する協議会の設置、ホームレス対策に係る事業の民間団体への委託等による民間団体との連携が行われているところである。

六及び八について

 政府としては、ホームレス対策はホームレスが自らの意思で安定した生活を営めるように支援することが基本であり、このためには、就業の機会の確保に関する問題に取り組んでいくことが最も重要であると認識している。
 また、ホームレスの中には自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が多数存在しているものと考えられることにかんがみ、ホームレスの自立の支援等に関する施策を総合的に推進することにより、ホームレスの自立を積極的に促すとともに、ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある者が新たにホームレスとなることの防止に努めてまいりたい。

七について

 欧米主要国におけるホームレスの数については、我が国とはホームレスの定義が異なるが、厚生省に設置されたホームレスの自立支援方策に関する研究会が平成十二年三月に公表した「ホームレスの自立支援方策について」によると、英国において千九百九十五年で約十二万千人、フランスにおいて二十万人から四十万人となっている。

九について

 政府としては、今後とも、冬期に限らず、ホームレス緊急一時宿泊事業、無料低額宿泊事業の活用を図ることなどにより、緊急を要すべき援助を含めホームレスに対する必要な支援に努めてまいりたい。
 内閣官房、警察庁生活安全局、総務省大臣官房、同省自治行政局、厚生労働省職業安定局、同省社会・援護局及び国土交通省総合政策局の長等は四についてで述べたホームレス問題連絡会議の構成員となっている。

十について

 お尋ねの数については、把握していない。