質問主意書

第165回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一一号

内閣参質一六五第一一号
  平成十八年十月三十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員仁比聡平君提出国営諫早湾干拓事業の費用対効果に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員仁比聡平君提出国営諫早湾干拓事業の費用対効果に関する質問に対する答弁書

一、四から六まで及び八について

 お尋ねについては、被害の想定及び被害額の積算の集計整理等の作業が膨大となることから、お答えすることは困難である。

二について

 本事業は、潮受堤防を設置し、高潮を防止するとともに、その内側に設けた調整池の水位を標高マイナス一メートルとなるように管理する結果、潮汐の直接的な影響を受けなくなること、既存堤防の排水樋門の前面におけるガタ土の堆積が解消され、ミオ筋(流路)の確保が容易となることから、河川、排水路等から調整池への排水が速やかに行われ、大雨時でも洪水被害の軽減を図る機能を有するものである。なお、本事業においては、洪水に限定した効果額の算定は行っていない。

三について

 調整池の有効調整容量(七千九百万立方メートル)は、背後地における洪水に対する防災機能を確保するため、諫早湾地域における既往の最大の洪水である昭和三十二年諫早大水害の降雨を基に計画したものである。

七について

 事業費増加の原因は、試験施工の結果、当初想定していた地質条件と異なっていたことが判明したため、潮受堤防の基礎掘削を追加したこと等の工法変更及び物価変動によるものである。
 また、最終的な契約金額が当初の落札額より増額されている事例については、工事着手後に当初想定していた地質条件と異なっていたことが判明したこと等により、事業量の増加を伴う設計変更を行ったことによるものである。