質問主意書

第165回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三一号

歯科疾患総合指導料における文書による情報提供の「義務化」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年十二月八日

櫻井 充   


       参議院議長 扇 千景 殿



   歯科疾患総合指導料における文書による情報提供の「義務化」に関する質問主意書

 本年四月診療報酬の改定が行われ、歯科においては歯科疾患総合指導料が新設され、説明内容を文書により情報提供するという歯科診療における総合的指導管理に関する評価がされることになった。これにより歯科医師は文書を書くことに診療時間の多くを割かれ、歯科医師の負担が増大することとなり、患者のためにもなっていない状況である。実際、この文書による情報提供の見直しを求める声が多数上がっている。
 私がこれにつき、平成十八年十月二十六日参議院厚生労働委員会において質疑を行った際に、政府は、「本当にこの指導管理が必要のない方であれば、当然これは文書も必要ありませんし指導管理料もないということになる」と答弁しているものの、趣旨が明確ではなかったことから、以下の点について質問する。

一 厚生労働省のホームページ上にある中央社会保険医療協議会総会(第八十五回)配付資料の「平成十八年度診療報酬改定における主要改定項目について(案)」の百五ページでは、「患者に対し行った病状、治療計画、指導内容等を文書により患者に情報提供することを算定要件とするとともに評価の見直しを図る項目」との記載がある。これは、歯科疾患総合指導料が算定されるためには文書を書くことが義務であることを意味するが、文書による情報提供を義務付けた理由及び文書を使わずに歯科医師による口頭での説明では足りないと厚生労働省が判断した理由について、それぞれ明らかにされたい。

二 文書による情報提供を算定要件としたことによる患者のメリットについて示されたい。

三 歯科医師が歯科疾患総合指導料を得るために、患者一人当たりに文書を書くことに費やす平均時間をどの程度と想定したのか。また、一日に歯科医師が診察できる患者数が平均どの程度増減すると想定したのか。それぞれ明らかにされたい。

四 歯科医師が文書による情報提供が必要であると判断したにもかかわらず、患者が文書に署名することを拒否した場合、あるいは、歯科医師が文書による情報提供が必要ないと判断したにもかかわらず、患者が文書による情報提供を要求した場合、それぞれにおいて歯科疾患総合指導料、歯科疾患総合指導料を除いた診療行為に係る保険請求が算定されるのか明らかにされたい。

五 仮にすべての患者が文書による情報提供を求めない場合、又は情報提供に必要な書面への署名を拒否した場合について、直近の数値とその前年度とを比較して、歯科医師の収入は何パーセント低下するのか示されたい。

六 平成十八年診療報酬点数改定で歯科に関する部分はマイナス一・五パーセントということであったが、歯科医師の何パーセントが文書による情報提供を行うと想定し、保険点数を決めたのか明らかにされたい。

七 平成十八年診療報酬点数改定で、歯科医師の平均年間収入は何パーセント増減すると想定したのか明らかにされたい。

  右質問する。