質問主意書

第164回国会(常会)

答弁書


答弁書第六八号

内閣参質一六四第六八号
  平成十八年六月十六日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員喜納昌吉君提出ドミニカ共和国移民国家賠償請求訴訟の判決に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員喜納昌吉君提出ドミニカ共和国移民国家賠償請求訴訟の判決に関する質問に対する答弁書

一について

 いわゆるドミニカ移住に係る調査を開始した昭和三十年九月から移住が事実上中止となった昭和三十五年三月までの間において、移住政策に係る事務を外務省において所掌していたのは移住局である。同期間における移住局長は、矢口麓蔵、内田藤雄、伊関佑二郎及び高木広一である。同期間における外務大臣は、重光葵、岸信介、藤山愛一郎及び小坂善太郎である。また、同期間において、農業移民の募集等に係る事務を当時の農林省において所掌していたのは、農地局及び振興局である。同期間における農地局長は、渡部伍良及び小倉武一であり、振興局長は、大坪藤市、永野正二及び増田盛である。同期間における当時の農林大臣は、河野一郎、井出一太郎、赤城宗德、三浦一雄及び福田赳夫である。

二について

 一についてで述べた大臣又は局長であった者は、いずれも勲章を授与されているが、勲章の褫奪について定める勲章褫奪令(明治四十一年勅令第二百九十一号)の要件に該当する者はいないものと認識している。

三について

 政府としては、移住者との対話を行う中で、対応を誠実に検討していく考えである。現時点において、具体的な対応についてお答えすることは困難である。

四について

 平成十八年六月七日の東京地方裁判所判決において、外務省及び当時の農林省による入植予定地に係る調査及び移住条件に係る情報提供の在り方について厳しい指摘がされたことについては、重く受け止めるべきものと考えている。

五及び六について

 政府としては、ドミニカ共和国における日系人社会全体の利益及び我が国とドミニカ共和国との友好関係の発展のためにどのような協力を行うかにつき、引き続き移住者との対話と共同作業を旨として検討していく考えである。御指摘の移住五十周年記念行事においては、例えば、ハラバコア地域コミュニティーセンター建設費の助成を行うとともに、サントドミンゴ学生寮・敷地の無償譲渡等を計画している。

七から九までについて

 政府は、当時、ドミニカ共和国政府が、千九百三十六年にハイチ共和国と国境条約を結んで国境線を画定し、ハイチ共和国からの人々の流入を防ぐとともに、国境地帯の都市化政策を遂行していたことは承知していた。また、当時、ドミニカ共和国政府が、日本国民の勤勉さと発展精神に着目して日本人移住者の受入れを表明したものと承知していた。