質問主意書

第164回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質一六四第一九号
  平成十八年二月二十四日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員山下八洲夫君提出愛知県渥美半島の陸上自衛隊大山離着陸訓練場に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山下八洲夫君提出愛知県渥美半島の陸上自衛隊大山離着陸訓練場に関する質問に対する答弁書

一について

 陸上自衛隊航空学校では、現在利用している場外離着陸場が狭隘なため、ヘリコプターの操縦教育に必要な離着陸訓練が可能となる地積を有する大山無線中継所跡地を大山訓練場として利用することとしたところであるが、お尋ねの「訓練ルート」は、現在、検討中である。

二について

 防衛庁長官官房施設課等においては、大山訓練場におけるヘリコプターの離着陸訓練の実施に関し、環境省自然環境局野生生物課の意見を求め、同課は、同訓練場におけるヘリコプターの離着陸について、自然環境の保全に関する同省所管の法令上の規制は設けられていないが、渡り鳥について専門家の助言を踏まえて調査し、その保護方策を検討することが重要であり、また、同訓練場周辺において希少な猛禽類の繁殖が確認された場合には、平成八年に環境庁(当時)が開発事業等における猛禽類の調査と保護方策の基本的な考え方について取りまとめた「猛禽類保護の進め方」に従って専門家の助言を踏まえて調査し、その保護方策を検討することが重要であるとの意見を述べた。
 また、陸上自衛隊航空学校総務部航空管理課等においては、愛知県環境部自然環境課の意見を求め、同課からは、同訓練場を設置するに当たっては、土地の形状の変更等を伴わないことから自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)で定める手続をとることは不要であるが、関係する地方公共団体等の理解を得るとともに自然保護団体と話合いを行うこと及び猛禽類の現地調査を実施することが望ましいとの意見があった。

三について

 大山訓練場の設置に当たっては、関係する地方公共団体等のみならず、自然保護団体に対しても、訓練の実施においては自然環境に配慮する旨を説明し、その理解を求めてきたところである。

四の1について

 大山訓練場の設置については、土地の形状の変更等を伴うものではないが、防衛庁としては、同訓練場周辺の自然環境に配慮する必要があると考えていることから、環境調査を予定しているところである。

四の2について

 防衛庁においては、平成十九年に大山訓練場周辺の鳥類の生息調査を実施する予定であるが、その詳細については、現在、検討中である。

四の3及び4について

 防衛庁としては、大山訓練場周辺の自然環境に配慮しつつ、同訓練場を適切に運用してまいりたい。

五について

 御指摘の覚書においては、田原市への訓練回数に係る報告義務は定められていないが、防衛庁としては、当該覚書に基づき訓練を適切に実施することとしている。