質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第六五号

難民不認定等取消訴訟における出身国政府への原告個人情報照会に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年六月六日

福島 みずほ   


       参議院議長 扇 千景 殿



   難民不認定等取消訴訟における出身国政府への原告個人情報照会に関する質問主意書

 我が国には、昭和五十六年に批准した「難民の地位に関する条約」に基づき、難民及び難民申請を行う者に対し、適切な庇護手続を行う義務がある。難民認定のプロセスの透明性を確保する観点からも、難民認定申請を行おうとする者の個人情報に対する守秘義務が徹底されることは、極めて重要であると考える。これは、行政における審査プロセス同様に司法における審査プロセス(行政訴訟)においても徹底されるべきである。
 以上の観点により、難民不認定等取消訴訟における原告の個人情報に関して適切な取扱いがなされているかを明らかにするため、特に原告の出身国政府への照会について以下質問する。

一 過去五年間(平成十三年から平成十七年まで。以下同じ。)、難民不認定取消訴訟において、原告の個人情報に関し、外務省・法務省など日本国政府機関を介して、原告の出身国政府機関に照会を行った総件数及び出身国別の件数を、各年別に明らかにされたい。

二 過去五年間、難民不認定取消訴訟において、原告の個人情報に関し、外務省・法務省など日本国政府機関を介して、原告の出身国駐日大使館を通じて照会を行った総件数及び出身国別の件数を、各年別に明らかにされたい。

三 過去五年間、退去強制令書取消訴訟において、原告の個人情報に関し、外務省・法務省など日本国政府機関を介して、原告の出身国政府機関に照会を行った総件数及び出身国別の件数を、各年別に明らかにされたい。

四 過去五年間、退去強制令書取消訴訟において、原告の個人情報に関し、外務省・法務省など日本国政府機関を介して原告の出身国駐日大使館を通じて照会を行った総件数及び出身国別の件数を、各年別に明らかにされたい。

五 日本に滞在し難民であるとして庇護を求めているトルコ共和国国籍を有するクルド人による人権救済申立事件に関して、平成十七年十二月二十六日付で日本弁護士連合会より法務大臣に対し警告が出され、今後は庇護希望者の秘密保持権を侵害し、庇護希望者及びその家族等の生命・身体等の安全・自由を侵害するおそれを生じさせるような行為を繰り返さないよう警告された。この警告に対する見解及び対応策を明らかにされたい。

  右質問する。