質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第四六号

イラク開戦の根拠をめぐる小泉内閣総理大臣の認識に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年四月七日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   イラク開戦の根拠をめぐる小泉内閣総理大臣の認識に関する質問主意書

 二〇〇三年、アメリカのブッシュ政権がイラク開戦に踏み切った最重要根拠は「大量破壊兵器の存在」であった。しかし、大量破壊兵器は発見されず、その報告を受けたブッシュ大統領は、判断の誤りを認めて謝った。
 小泉内閣総理大臣は開戦直前に、大量破壊兵器の存在に関するアメリカ政府の発表をうのみにして、真っ先にイラク攻撃を支持したが、大量破壊兵器が存在しなかったという点に関する判断の誤りをいまだに認めていない。日本の主権を代表する内閣総理大臣が、このような重大な誤りを認めないのでは、民主主義は根幹から歪んでしまう。小泉内閣総理大臣は一時も早く誤りを認めるべきである。
 そこで、以下質問する。

一 小泉内閣総理大臣は今年九月に勇退すると公言してきたが、勇退前に、イラク開戦の根拠の誤りを認める意思はないか明らかにされたい。その意思がない場合は、その理由を詳しく示されたい。

二 最近、台湾を「国」と呼んだり、靖国神社への「天皇の参拝が一番」などと言う小泉内閣の閣僚の乱暴な発言が目立っている。これは、小泉内閣総理大臣がそのような発言を厳しくただすことをせず、あえて問題視しないような態度を取っていることが原因の一つと言える。
 イラク開戦の根拠に関する認識の誤りを認めず、さらには「沖縄密約事件」の密約の存在を否定し続ける内閣総理大臣に、閣僚の問題発言を抑え込む力量もないのかと懸念せざるを得ない。この点について、小泉内閣総理大臣の見解を明らかにされたい。

  右質問する。