質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第三一号

韓国におけるいわゆる全国民主青年学生連盟事件に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年二月二十八日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   韓国におけるいわゆる全国民主青年学生連盟事件に関する質問主意書

 韓国国家情報院の「過去事件の真相究明委員会」は昨年一二月七日、一九七四年四月に韓国で起きた「全国民主青年学生連盟事件」について、当時の朴・韓国政権によるねつ造だったとする調査結果を発表した。この事件では、当時韓国に滞在していた二人の日本人も「スパイ容疑」で逮捕・起訴され、懲役二〇年を求刑されたが、二人とも一九七五年二月に釈放されて帰国した。
 近年、日本の国家主権への侵害や邦人保護に関わる事件が外交上問題となることが多い中で、この事件への政府の対応が重要になると考える。そこで、以下質問する。

一 政府は、この事件がねつ造だと公式に確認された今、韓国政府に対し、二人の日本人がねつ造の容疑で逮捕・起訴され、一〇か月も拘禁された事実について、二人の逮捕から釈放にかけての詳しい事実関係の説明を要求し、謝罪及び賠償を求めるべきと考えるがいかがか。韓国政府に対し、これらを求める意思がない場合は、その理由を明らかにされたい。

二 政府は、日本人二人の韓国における公式な名誉回復がどのようになされていると把握しているか。仮に二人の名誉回復がなされていない場合、政府は二人の名誉回復を韓国政府に対し要求する意思があるか。ない場合は、その理由を明らかにされたい。

三 日本人二人は、韓国で逮捕・起訴されたことによって、日本の国内法上どのような取扱いを受けたのか。そのことにより、帰国後、日本国内で不利益な扱いを受けたことはないか、明らかにされたい。また、仮に日本国内で不利益を被っていた場合、日本で二人の名誉回復がなされる必要があると考えるがいかがか。

四 政府はこの事件及び日本人二人の関与の実態について、今回、ねつ造であることが明らかになるまでは、どのように把握し受け止めていたのか、明らかにされたい。

五 この事件の発生当時、日本人二人の逮捕・起訴をめぐって政府は、邦人保護の立場から、韓国政府に対しどのような外交行動を採ったか、明らかにされたい。

  右質問する。