質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第三〇号

刑務所などの個人情報流出事件に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年二月二十七日

松岡 徹   


       参議院議長 扇 千景 殿



   刑務所などの個人情報流出事件に関する質問主意書

 本年二月、京都刑務所の刑務官のパソコンから大量の内部文書、刑務所や拘置所の受刑者などの個人情報が、当該職員所有の私物パソコンからインターネット上に大量に流出した事象が判明した。その情報量は電子データ約一万ファイルにのぼり、ファイルには被収容者三千三百八十人分、職員二千二百八十三人分、計五千六百六十三人分の氏名等の個人情報が含まれているということであった。
 個人情報が厳重に管理されるべき行刑施設において、簡単に持ち出され外部に流出することはあってはならないことであり、再発防止策を的確に講じることはもとより、流出した個人情報による被害を食い止め、その被害を防ぐための手だてをとることが重要と考える。
 このような観点から、以下質問する。

一 今回の事件で流出した個人情報は、どこの行刑施設のどのような内容であるのか。また、流出した個人情報はどこに流れているのか。政府が現在確認しているものをすべて示されたい。

二 今回の流出事件は、どのような原因・背景で発生したものであるのか、具体的な問題の所在及び政府としての責任の所在も含めて示されたい。

三 政府は、流出した個人情報によってどのような被害、特に人権侵害が生じると想定しているのか示されたい。

四 今回の事件で個人情報が流出した被収容者及び職員(以下「被害者」という。)に対しては、謝罪、流出した事実の周知及び流出した個人情報によって生じた被害の把握が当然必要であるが、政府はこれらに対しどのように取り組むのか具体的に示されたい。

五 政府は、被害者が今回の事件で受ける被害に対し、具体的な救済策をどのように考えているのか示されたい。

六 仮に、被害者が法的に訴訟を提起する場合、個人情報を流出させた国の責任だけではなく、流出した個人情報を入手して使用した業者等についても責任を問うことが考えられるが、被害者が提起する訴訟の相手方としてどの範囲が考えられるか、政府の見解を示されたい。

七 仮に、被害者が法的に国家賠償を請求した場合のことを考えた場合、政府はどの程度の損害賠償額が必要となると見込んでいるのか、見解を示されたい。

  右質問する。