質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第二一号

障害年金における「ポストポリオ症候群」の取扱いに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年二月十六日

島田 智哉子   


       参議院議長 扇 千景 殿



   障害年金における「ポストポリオ症候群」の取扱いに関する質問主意書

 労働者が障害を負うことによって労働できなくなる場合や労働能力が制限され稼得が減少する場合に、その生活の安定を図るため支給されている障害厚生年金は、その障害の原因となった傷病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)に、厚生年金保険の被保険者でなければ受給権が発生しない。
 しかし、小児期にポリオや急性灰白髄炎に罹患し、いったん回復して通常の社会生活を送っていたものの数十年経過後、症状の悪化によって様々な機能障害が生じるいわゆる「ポストポリオ症候群」の方々については、初診日が小児期にあることを理由に裁定を行う社会保険庁において、障害厚生年金を不支給と決定する事例が後を絶たない。一方で、「ポストポリオ症候群」に係る障害厚生年金の不支給決定に対する社会保険審査会での再審査では、当該処分を取り消す裁定を行う例も出てきている。以上のような状況を見る限り、「ポストポリオ症候群」に係る障害認定を巡っては、混乱が生じていると言わざるを得ない。
 こうした事態を打開し、「ポストポリオ症候群」の方々に障害年金を円滑に支給する必要があるとの考えから、以下質問する。

一 平成十五年十月九日の参議院厚生労働委員会において、「社会的治癒に関しましては、質疑に答える形で昭和四十二年に通知等で示しておるところでございます」と社会保険庁運営部長が答弁の中で示した通知の正式な件名、発出年月日、発出番号、発出先及び通知文の内容を正確にすべて明らかにされたい。また、昭和四十二年の通知以外で社会的治癒に関する政府の見解を示したものがあれば、それも明らかにされたい。

二 社会保険審査会における再審査を経なくても「ポストポリオ症候群」の方々が障害厚生年金を受給することができるよう、政府は「ポストポリオ症候群」に係る国民年金及び厚生年金保険の障害認定基準を早急に策定し、明示する必要があると考える。政府の見解を示されたい。

  右質問する。