質問主意書

第163回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二号

内閣参質一六三第二号
  平成十七年十月七日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員糸数慶子君提出在沖米陸軍複合射撃訓練場の移設に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出在沖米陸軍複合射撃訓練場の移設に関する質問に対する答弁書

一について

 アメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)がキャンプ・ハンセン内のレンジ4という射撃場(以下「レンジ4」という。)の複合射撃訓練場の施設を使用して実施している訓練(以下「本件訓練」という。)の実施場所については、具体的な移転先について日米間で検討してきたところである。その結果、できる限り早期にレンジ4の施設の代替施設(以下「代替施設」という。)を建設するとの観点から、本年九月十五日、日米合同委員会において、キャンプ・ハンセン内のレンジ16という射撃場(以下「レンジ16」という。)に近接する場所に日本政府の予算で代替施設を建設し、そこへ本件訓練の実施場所を移転させることで合意した。具体的には、レンジ16に近接する既存の射撃場を移転先とすることで日米間で基本的に一致している。

二及び三について

 お尋ねの移転先の射撃場(以下「移転先射撃場」という。)は、レンジ16の北東側に近接する位置にある。また、移転先射撃場に係る面積等の規模、建物等の施設内容及び訓練内容については、米軍の運用にかかわる事柄であるので、お答えを差し控えたい。
 本年九月十五日に外務省及び防衛施設庁が公表した「米軍キャンプ・ハンセンの米陸軍複合射撃訓練場の移設地について」(以下「公表資料」という。)で示した移転先射撃場の位置から、沖縄自動車道までの距離はおよそ六百メートル、金武町役場周辺の民間地域までの距離はキャンプ・ハンセンの営舎地区を挟んでおよそ二キロメートルである。また、移転先射撃場とレンジ4との位置関係については、公表資料において示している。

四について

 代替施設については、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)及び沖縄県環境影響評価条例(平成十二年条例第七十七号)に規定されている対象事業には該当しないことから、法令等に基づく環境影響評価の必要性はないが、環境に配慮することは当然であるとの考えから、代替施設の建設場所における環境の把握に努め、建設に際しては環境の保全に努めてまいる所存である。

五について

 アメリカ合衆国側によれば、レンジ4の複合射撃訓練場においては、射撃用建物では建物内の敵に対処するための小型武器による射撃訓練を、突破訓練施設では建物内への強行突破訓練を、屋外射場では小型武器による射撃訓練を、訓練塔ではロープを使用しての懸垂下降訓練及び射撃用建物の標的に対する射撃訓練を実施するとのことである。レンジ16に近接する既存の射撃場に建設される代替施設においても、これらの訓練が行われると承知している。

六について

 代替施設の建設の工期については、現時点では、代替施設建設に係る調査の着手から完成までの期間はおよそ二年半を見込んでいるところであるが、今後、調査及び設計を実施した上で決定されるものである。
 また、代替施設については、完成後、米軍により使用が開始されることとなる。

七について

 アメリカ合衆国側によれば、レンジ16に近接する既存の射撃場に本件訓練の実施場所が移転された後のレンジ4においては、複合射撃訓練場の施設を使用した実弾射撃訓練は実施しないとのことである。また、代替施設完成後のレンジ4の複合射撃訓練場の施設の扱いについては、現時点においては何ら決定されていないと承知している。なお、同施設の取扱いについては、アメリカ合衆国側と引き続き話し合っていく考えである。

八について

 代替施設が完成し、使用可能となるまでは、米軍がレンジ4で必要最小限の本件訓練を実施する必要があると認識している。