質問主意書

第163回国会(特別会)

質問主意書


質問第二二号

麻しん・風しん等についての予防接種法施行令改正に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十七年十月三十一日

小池 晃   


       参議院議長 扇 千景 殿



   麻しん・風しん等についての予防接種法施行令改正に関する質問主意書

 予防接種法施行令が本年七月二九日に改正された。予防接種法に基づく麻しん及び風しんの定期の予防接種は、現行では生後一二か月から九〇か月まで一回行われているが、この改正では、二〇〇六年四月一日以降は、生後一二か月から生後二四か月の間に一回目の接種を行い、五歳以上七歳未満の者は、小学校就学日の一年前から同就学前日までの間に第二回目の接種を行う等の変更が行われた。
 そこで、以下の点について質問する。

一、法に基づく定期の予防接種に使用できるワクチンは、二〇〇六年四月一日以降、麻しん単抗原ワクチンと風しん単抗原ワクチンが廃止され、麻しん風しん混合ワクチンのみとなった。その結果、麻しん又は風しんに罹患した者が、定期接種を受けるワクチンがなくなる。
 また、今回の改正で百日せき、ジフテリア、破傷風の定期接種に使用するワクチンが、一期は沈降精製百日ぜきジフテリア破傷風混合ワクチン(DPT)のみ、二期は沈降ジフテリア破傷風混合トキソイドのみとなったため、百日ぜき又はジフテリア及び破傷風に罹患した者が、定期接種を受けられなくなっている。
 市町村長は、罹患した者でも定期接種の対象者であれば、法に基づいて定期の予防接種を行わなければならないが、使用できるワクチンがない事態を生み出している。
 今回の改正は、法に基づく定期の予防接種を義務付けた予防接種法に反するのではないか。また、定期接種の対象者であっても、罹患していれば定期接種を行わなくてよいとする規定が法律にあるのか。明確な見解を示されたい。

二、法に基づく定期の予防接種として使用できるワクチンは、単抗原ワクチンが廃止され、混合ワクチンのみとなる。このため、接種もれ者の保護者が単抗原ワクチンの使用を希望する場合は、法に基づかない任意の使用となる。その場合の接種費用について厚生労働省は、市町村に対して法に基づく接種と同等の公費負担を要請するとしているが、新しい制度が定着するまでの間、法に基づく定期の予防接種と同様の措置をとるべきではないか。
 また、定期接種を任意接種に移行することによる国費の軽減額を示されたい。

三、法に基づく定期の予防接種及び法に基づかない任意の予防接種のそれぞれについて、予防接種による健康被害に対する救済額を障害児養育年金、障害年金、死亡一時金(任意の予防接種の場合は遺族一時金)の種別ごとに示されたい。

  右質問する。