質問主意書

第163回国会(特別会)

質問主意書


質問第一一号

公的年金制度についての経済産業省の試算に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十七年十月二十一日

小川 敏夫   


       参議院議長 扇 千景 殿



   公的年金制度についての経済産業省の試算に関する質問主意書

 国民生活に極めて密接な関係がある公的年金制度に関し、政府の説明責任が果たされているか大きな疑念がある。
 そこで、この疑念を生じさせている経済産業省経済産業政策局の「財政再計算プログラムをベースにした年金シミュレーション」(以下「経産省試算」という。)について、以下質問する。

一 「経産省試算」作成の意図

 経済産業省経済産業政策局が「経産省試算」を作成し、これを産業構造審議会に提出した意図は何か。また、産業構造審議会においては、「経産省試算」の提出を受け、何を議論し、どのような結論を得たのか。

二 未公表の理由

 経済産業省は、「経産省試算」について、その結果を公表していない。その理由は何か。

三 国会未提出の理由

 本年四月に設置された「年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議」の幹事会が「経産省試算」の提出を求めたにもかかわらず、経済産業省はこれを未だに提出していない。その理由は何か。

四 試算の具体的内容

 「経産省試算」において、実際の試算はどのように行われたのか。具体的には、試算に用いた計算式・関係計数等をどのように入手し、どのような機関において実際に計算を行ったのか。試算の前提条件等は誰が設定したのか。その中で経済産業省職員は、どのような業務を行ったのか。また、関連経費はどの程度かかり、それはどの費目で予算計上され、また支出されたのか。

五 試算の結果

 「経産省試算」では、具体的にどのような前提条件を置き、その結果どのような試算結果を得たのか。それは厚生労働省が昨年の年金法改正時点で示した「平成一六年財政再計算」と何が、どのように異なるのか。

六 試算結果に対する経済産業省の認識

1 経済産業省は、「経産省試算」を年金数理的に正しい試算結果であると認識しているのか。
2 政府は、「経産省試算」を踏まえ、昨年の年金法改正について、どのような認識を有しているのか。厚生労働省が「平成一六年財政再計算」で用いた数式、前提条件及び計算結果は、妥当なものであったと考えるか。

七 報道に対する見解

 「月刊現代」二〇〇五年一〇月号において、「経産省試算」に関する報道がなされている。この記事の事実関係に関する認識を示されたい。

八 公表の予定

 「経産省試算」も国民の貴重な税金によって作成されている以上、国民の財産である。その公表は当然と考えるが、経済産業省はこれをいつまでに公表する予定か。

  右質問する。