第163回国会(特別会)
質問第三号 国際連合安全保障理事会常任理事国入りを目指した外交政策に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成十七年九月二十八日 喜納 昌吉
参議院議長 扇 千景 殿 国際連合安全保障理事会常任理事国入りを目指した外交政策に関する質問主意書 日本政府は、インド、ブラジル、ドイツとともに国際連合(以下「国連」という。)安全保障理事会常任理事国入りを目指して第五十九回国連総会に臨んだ。しかし、総会開会前に、安全保障理事会で拒否権を持つ米中両国などの反対により日本・インド・ブラジル・ドイツ四か国が提案した改革案は成立が困難となり、結局、九月十三日の総会閉会に伴い、この案は廃案となった。そのため、常任理事国入りは実現できなかった。 そこで、以下質問する。 一 政府は、常任理事国入りを目指した外交政策の実施に伴い費やした総費用を明らかにする義務がある。さきに海外駐在の日本大使のほとんどを東京に集めて、常任理事国入りについて会議を開いたが、その費用がいくらかかったのか示されたい。また、それ以外に常任理事国入りのための外交活動に総額いくら費用がかかったのかも併せて示されたい。 二 日本世論は、日本の常任理事国入りを目指した外交政策は失敗したと受け止めているが、政府も同じ受け止め方をしているのか否か、また、どのように反省しているかを示されたい。世論と違う受け止め方をしている場合は、その受け止め方と理由も併せて示されたい。 三 内外世論は、今年の日本の常任理事国入り失敗の原因の一つを、アジア外交の行き詰まりにあると見ている。とりわけ、小泉内閣総理大臣の靖国神社参拝が中国、韓国、北朝鮮をはじめとするアジア諸国に及ぼしたマイナスの影響によって、アジア外交の行き詰まりを招いているとも指摘している。この点をどう考えるか。 また、小泉内閣総理大臣は、九月二十六日の参議院本会議での所信表明演説で靖国神社参拝問題に触れなかったが、偏狭なナショナリズムを煽る靖国神社参拝をやめて、アジア外交を立て直す意思があるのか、内閣総理大臣の見解を示されたい。 四 靖国神社に代わる無宗派、無イデオロギーの戦没者追悼施設を建設する意思があるか否か、併せて示されたい。 右質問する。 |