質問主意書

第162回国会(常会)

質問主意書


質問第二五号

ジェネリックの普及に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十七年五月三十一日

広中 和歌子   


       参議院議長 扇 千景 殿



   ジェネリックの普及に関する質問主意書

 ジェネリック(後発医薬品)の普及が、患者の薬代負担額のみならず、我が国の医療費全体の抑制につながることが期待されており、政府もかねがねジェネリックの普及に取り組むことを表明している。しかしながら、欧米等に比べ、我が国のジェネリックの普及率はまだ不十分だと認識している。
 そこで、以下のとおり質問する。

一、我が国の最新のジェネリックの使用率を、数量ベース・金額ベースそれぞれで示されたい。また、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスの各国についても、最新の使用率を数量ベース・金額ベースそれぞれで示されたい。

二、厚生労働省及び文部科学省は、これまでにも国立病院や国立大学病院に対しジェネリックの普及を促していると理解している。そこで、国立病院については独立行政法人化直前と最新の使用率を、また、国立大学病院については国立大学法人化直前と最新の使用率を、数量ベースでそれぞれ示されたい。

三、平成十六年五月十一日の参議院厚生労働委員会で、政府は「日本は国際的に見ていわゆるジェネリックの使用のレベルがまだ低いということですので、これが高まればトータルとして医療費が効率化されることは事実でございます」と普及の必要性を確認した上で、「後発品のより積極的な使用促進ということでそのような診療報酬政策も講じておりますことから、今後その成果の検証、これを行うとともに、今後とも後発品の使用促進に努めてまいりたいと考えております」と答弁している。さらに、当時の坂口厚生労働大臣もたびたびジェネリックの普及に力を入れることを約束している。診療報酬政策の成果はどのようになっているのか。また、政府として、ジェネリックの普及にどのような取り組みをしているのか。

四、この委員会では、坂口厚生労働大臣が「抵抗も正直申しましてありますけれども、少しここは前へ進められるようにしたいというふうに思っております」と述べているが、「抵抗」とは具体的にだれが、どのような抵抗をしているのか。

五、各後発医薬品メーカーは、近年、新聞、テレビの宣伝など積極的な取組をしているが、政府はジェネリックの普及にどの程度予算を計上しているか、近年三年度間の関連予算の総額及び事業別内訳を示されたい。

六、総務省は平成十三年六月の「医薬品に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」で、我が国の後発医薬品の使用状況について欧米諸国に比べて低いことを指摘した上で、厚生労働省に対して「処方せんに医薬品の名称が商品名で記載されている場合に、薬剤師が患者の同意と選択に基づいて有効成分等が同一の医薬品を用いて調剤することを可能とする仕組みを検討すること」を勧告している。この勧告に対し、厚生労働省はその後、どのような検討をし、結果を出したのか。

七、これまで述べたとおり政府はジェネリックの普及を約束しているが、一方で日本医師会は、平成十五年三月二十六日付け「代替調剤等について」の中で、ジェネリックに対し「信頼性が必ずしも客観的に確立されていない」などとしてジェネリックの普及や総務省が求める代替調剤に否定的な見解を示している。日本医師会の方針に対し、政府としてどのように考えるのか。また、どのように協力を求めていくのか示されたい。

八、医師が処方箋を出す場合、「代替調剤可」などと記載したりゴム印を押したりすることで、薬剤師が患者と相談しながらジェネリックを出すことは現行法上可能か。また、患者が医師にジェネリックの処方を要望したり、患者が医師に提示するための「ジェネリックの処方をお願いします」などと表記されたカード等を各種団体等が作成し、配布したりすることは法律上可能か。さらに、このようなジェネリックを普及させるための仕組みを、政府として積極的に推進していく考えはあるか。

  右質問する。