質問主意書

第161回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質一六一第一七号
  平成十六年十二月十日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員大塚耕平君提出名目金利と名目成長率との関係についての政府の見解に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大塚耕平君提出名目金利と名目成長率との関係についての政府の見解に関する質問に対する答弁書

一について

 名目長期金利と名目経済成長率の関係については、名目長期金利の方が常に名目経済成長率を上回るとは言えないと考える。我が国の状況を国際通貨基金の国際金融統計において両者の比較が可能な千九百六十六年から二千三年までの平均でみると、名目長期金利の方が名目経済成長率を下回っている。
 名目長期金利が名目経済成長率を上回る状況においては、基礎的財政収支の赤字が持続すれば、公債等残高の名目国内総生産に対する比率が増加し続けるという意味において、いずれの国においても財政は破たんすると考えられる。また、名目長期金利が名目経済成長率を下回る状況においては、基礎的財政収支を均衡させることによって、公債等残高の名目国内総生産に対する比率の増加を防ぐことができるという意味において、財政を安定させることができると考えられる。これは、幅広く世界の専門家の間で共有されている考え方である。
 御指摘の答弁は、このような趣旨を述べたものである。

二について

 経済財政諮問会議における「構造改革と経済財政の中期展望―二○○四年度改定」の審議のための参考試算を行うに当たっては、一についてで述べた考え方を踏まえているところであるが、参考試算で示される名目長期金利と名目経済成長率は、いずれも経済財政モデルによる計算の結果として導かれる数値であり、両者の大小関係については、その時々の状況によって変わり得るものである。