質問主意書

第161回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一一号

米海軍恩納通信所跡地利用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十六年十一月十九日

大田 昌秀   


       参議院議長 扇 千景 殿



   米海軍恩納通信所跡地利用に関する質問主意書

 一九九五年一一月に返還され、沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律(以下「軍転法」という。)の適用第一号となった米海軍恩納通信所(以下「同通信所」という。)の跡地利用において、防衛施設庁及び内閣府沖縄担当部局の説明によると、今年一一月一五日現在、返還面積六三・一ヘクタールのうち、跡地を利用して事業が行われている面積が四・一ヘクタールに過ぎず、残りの五九ヘクタールは利用されないままになっているとのことである。
 言うまでもなく、軍転法によって、返還後、地主に対して三年以内は賃借料相当額の返還給付金が支給されたが、三年後の一九九八年一一月で打ち切られている。したがって、跡地が未利用の大半の地主には、その後、跡地利用収入を得られず、かつ、それに代わる何の補償もないまま現在に至っている。
 軍転法による補償期間の三年で跡地利用が進まなかった主な理由は、同通信所の返還から四か月後の一九九六年三月に、汚泥処理槽跡の汚泥から水銀やポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害物質が発見され、土地引渡し時期がはっきりせず、開発を提案していた企業などが撤退したことによるものである。
 したがって、同通信所跡地の未利用に伴う当該地主の損害及び利用促進については、国策として米軍に土地を提供させてきた日本政府の責任と言わざるをえない。
 よって、次のとおり質問する。

一、同通信所跡地の返還総面積については、当方から政府側に説明を求めたところ、防衛施設庁は約六二ヘクタールと回答し、また、内閣府沖縄担当部局は六三・一ヘクタールと説明している。返還総面積に係る数値の相違の理由を示されたい。また、正確な返還総面積及び利用と未利用の面積のそれぞれの内訳について明らかにされたい。

二、同通信所跡地における未利用の土地の地主に対して、軍転法に基づく返還給付金が打ち切られた一九九八年一一月以降も現在まで、仮に返還給付金を支給していたとすれば、その総額がいくらになるのか示されたい。

三、同通信所跡地における未利用の土地の地主及び当該地方自治体である沖縄県恩納村によって、跡地利用計画策定の検討が重ねられているが、政府として、その現状をどのように把握しているかを明らかにされたい。

四、同通信所跡地の未利用によって、当該地主が、返還給付金の打ち切り後何らの補償もなく、実質的に損害を被っている実態及び同通信所跡地の利用促進について、国がいかなる責任を取っているのか、あるいは責任を取るつもりなのか、見解を明らかにされたい。

  右質問する。