質問主意書

第160回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質一六○第一三号
  平成十六年八月十日
内閣総理大臣 小 泉 純 一 郎   


       参議院議長 扇   千  景 殿

参議院議員浅尾慶一郎君提出法律条文の過誤訂正の在り方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浅尾慶一郎君提出法律条文の過誤訂正の在り方に関する質問に対する答弁書

一について

 平成十六年六月十一日付け官報号外第百二十四号をもって公布された国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)において訂正を要した箇所数は、四十箇所である。なお、御指摘の新旧対照表は、訂正すべき箇所を訂正しなかった場合に、各法律の条文の趣旨が不明確になる部分を分かりやすくお示ししたものである。

二について

 今回の国民年金法等の一部を改正する法律において訂正を要した箇所は、例えば条項の移動を正しく反映させていないことなどにより、実質的な法規範の内容と法文の表記との間に形式的な齟齬が生じていることが客観的に明らかであり、当該齟齬が生じたままでは実質的な法規範の内容が正確に表現されていないため、官報正誤により訂正したものである。

三について

 お尋ねの官報正誤とは、法文の「表記上の誤り」、すなわち、実質的な法規範の内容と法文の表記との間に形式的な齟齬があることが客観的に明らかであると判断されるものについて、法文の表記を実質的な法規範の内容に即したものに訂正するものであり、実質的な法規範の内容を変更するものではない。
 憲法上、内閣は、法律の公布について責任を負い(第三条及び第七条第一号)、また、法律を誠実に執行することを職務としている(第七十三条第一号)ことから、実質的な法規範の内容と法文の表記との間に形式的な齟齬が生じている場合に、法文の表記を速やかに実質的な法規範の内容に即したものに訂正し、それを広く国民に知らせることは、内閣の当然の責務であるということができ、従来から官報正誤によってこれを行うことが慣例上認められてきているところである。

四について

 官報正誤は、三についてでお答えしたとおり、法文の「表記上の誤り」が客観的に認められるものについて、法文の表記を実質的な法規範の内容に即したものに訂正するものであり、実質的な法規範の内容を変更するものではないことから、お尋ねの「国の立法」に当たる行為ではない。
 一方、法文の「表記上の誤り」を訂正する方法は官報正誤に限られるとは考えておらず、当該「表記上の誤り」が判明した法律に関連して、別途実質的に法律の改正を要する事項があり、当該法律の改正案を内閣として提出する機会に、当該「表記上の誤り」の訂正を当該法律の改正案に加えるという方法によることも許されると考えてきており、これまでにもそのような方法によった例があることは御指摘のとおりである。

五について

 四についてでお答えしたとおり、官報正誤は、お尋ねの「国の立法」に当たる行為ではないことから、憲法第四十一条に反するものではない。