質問主意書

第159回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五号

内閣参質一五九第二五号
  平成十六年六月十五日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員吉川春子君提出日本語による国際連合ウェブサイト開設に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員吉川春子君提出日本語による国際連合ウェブサイト開設に関する質問に対する答弁書

一の1について

 国際連合(以下「国連」という。)は、昭和三十三年に国連広報センターを東京に設置し、同センターを中心として国連の活動全般にわたる広報活動を我が国において行ってきている。同センターは、日本語の広報資料を作成・配布するのみならず、インターネット上に日本語ウェブサイトを開設し、テレビやラジオを含めた各種の媒体を通じて国連関連情報の発信に努めている。国連は、我が国における広報の重要性を十分に認識し、今後も同センターを活用した日本語による広報の充実に努めていく方針であると認識している。

一の2及び三について

 国連広報センターの活動を通じた国連の日本語による広報の重要性については十分に認識しており、同センターが行う様々な広報活動を支援するための資金協力を行ってきている。今後ともこのような支援を継続していく考えである。
 国連広報センターのウェブサイトを充実するための資金協力についても、できる限りの努力を行っていく考えである。

二の1について

 仮に国連のドイツ語ウェブサイトのような日本語ウェブサイトを開設するとした場合、どのくらいの費用がかかるかについては、翻訳すべき対象文書の正確な量、ウェブサイトの運営形態等様々な条件を踏まえる必要があり、具体的な額はお答えできない。

二の2について

 ドイツ語ウェブサイトのような日本語ウェブサイトを開設することは、現時点では予算の制約等から困難である。しかしながら、国連の日本語による広報の重要性は認識しており、東京に設置された国連広報センターが日本語の広報資料を作成・配布し、また、そのウェブサイトで日本語の広報資料を提供するとともに、国連の各種の文書の検索方法を示すなどの広報活動を行うことを支援するため、資金協力を行ってきている。今後ともこのような支援を継続していく考えである。

四の1について

 外務省から国連事務局に英語ウェブサイトの規模を照会したところ、英語ウェブサイトに限定した容量、文書件数、ページ数等は把握していないが、専門機関も含めた国連全体について、すべての公用語によるウェブサイトの容量は百ギガバイト程度であるとの回答があった。一方、外務省ホームページに掲載している国連関連情報に関しては、国連の発表した文書などを日本語に訳したもの、国連総会における我が国の演説等を合計したところ、確認できた範囲で約千七百ページであった。これが何ギガバイトであるかについては把握していないが、外務省ホームページの日本語版全体は、一ギガバイト程度である。
 ギガバイトで示された国連のウェブサイトの容量は、外務省ホームページの国連関連情報の容量に比べて相当程度大きいと言えるが、国連のウェブサイトの中には、動画配信など一件当たりの容量が非常に大きな情報も含まれており、容量の差が情報の量の差を反映しているとは必ずしも言えないので、情報の量の差を割合でお示しすることは困難である。

四の2及び3について

 国連に関する日本語情報の量については、国際社会が直面する課題に取り組む国連の活動に対して国民の一層の理解と支持を得るため、国連総会決議、国連安全保障理事会決議等、国連の活動に関する重要文書の日本語情報が、より多く提供されることが望ましいと考えている。こうした観点から、重要な国連安全保障理事会決議については日本語仮訳を官報に掲載するほか、国連総会その他の国連の主要会議における我が国の対応や様々な事項に関する国連における議論の概要を外務省ホームページに掲載する等している。政府としては、外務省ホームページへの国連関連情報の掲載を含め、できる限りの努力を引き続き行っていく考えである。

五について

 国際労働機関のウェブサイトで提供されている情報のすべてを日本語で提供することは、予算の制約等から困難であるが、国際労働機関が採択した条約を含め、平成十四年以降国会へ提出した条約については、その日本語訳を外務省ホームページに掲載しているところである。国際労働機関に関する情報の日本語による提供については、今後ともできる限りの努力を行っていく考えである。