質問主意書

第159回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質一五九第一三号
  平成十六年六月一日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員浅尾慶一郎君提出国家公務員の給与及び昇給に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浅尾慶一郎君提出国家公務員の給与及び昇給に関する質問に対する答弁書

一の1について

 「平成十五年国家公務員給与等実態調査」によれば、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号。以下「給与法」という。)別表第一イの行政職俸給表(一)の適用を受ける職員であって、その者の属する職務の級の一級上位の職務の級に属する職員のうち最も低い号俸を受ける職員の俸給月額を超える俸給月額を受けるものの数は、平成十五年四月一日現在で、十七万八千八百七十五人である。

一の2について

 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)では、職員の給与は、その官職の職務と責任に応じたものとする(同法第六十二条第一項)といういわゆる職務給の原則によることとされている。
 職員の給与の具体的な仕組みについて、同法では、基本的給与である俸給の額を定める俸給表は、生計費、民間における賃金等を考慮して定められ、かつ、等級ごとに明確な俸給額の幅を定めていなければならないとされており(同法第六十四条第二項)、また、同一の等級内における昇給の基準が定められなければならないとされているところである(同法第六十五条第一項第一号)。
 このように、同法では、俸給については、職務給の原則の下で、職責が上位である者の方が職責が下位である者よりも高く設定されることが基本とされているが、一方で等級ごとに俸給額の幅を設け、同一の等級内における一定の基準に基づく昇給制度を設けることにより、経験や熟練度の増加が適切に評価されるとともに、生計費等も考慮されるようになっているところである。
 このようにして設定される俸給表では、上位の職務の級の俸給月額と下位の職務の級の俸給月額との間に一定の幅で金額の重なりが生じることがあり得るものであり、その者の属する職務の級より上位の職務の級に属する職員の俸給月額を超える俸給月額を受ける職員が存在することが同法の規定に反するものではない。
 なお、俸給表については、職員の勤務条件に関する事項であるため、今後とも、社会一般の情勢に適応するように、人事院の勧告を受けて、適切に対応してまいりたい。

二の1について

 平成十五年一月一日において給与法の適用を受ける常勤職員(平成十四年度のすべての昇給期(人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)第三十六条に規定する昇給の時期をいう。以下同じ。)において、昇給停止年齢を超えていた職員その他の普通昇給(給与法第八条第六項、人事院規則九―八第三十五条等の規定により良好な成績で勤務した職員について行われる昇給をいう。以下同じ。)の対象から除外されていた職員を除く。)について調査したところ、当該職員の普通昇給に必要とされる最短の期間(給与法第八条第六項本文又は第八項ただし書に規定する期間のうちそれぞれ最短の期間(当該期間を短縮されている職員にあっては、当該短縮後の期間)をいう。)を経過した後に到来した平成十四年度における昇給期(以下「可能昇給期」という。)において普通昇給をしなかったことのある職員(以下「昇給延伸職員」という。)の数は六千八百四十人であり、可能昇給期において普通昇給をした職員(昇給延伸職員を除く。)の数は四十一万二千七百十五人である。
 また、昇給延伸職員のうち、人事院規則九―八第三十四条第二項の「昇給期間(人事院の定める職員にあつては、人事院の定める期間)の六分の一に相当する期間の日数」を勤務しなかったため普通昇給をしなかったことのあるもの(以下「六分の一延伸職員」という。)の数は五千二百八十九人であり、懲戒処分を受けたため普通昇給をしなかったことのあるものの数は三百人(うち十四人は、六分の一延伸職員にも該当している。)である。

二の2について

 給与法第八条第六項又は人事院規則九―八第三十五条の「良好な成績で勤務した」場合とは、職員が与えられた職責を通常程度に満足に果たした場合と解しており、二の1についてで述べたような運用の状況が給与法の規定に反するものではない。