質問主意書

第159回国会(常会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質一五九第八号
  平成十六年四月九日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員櫻井充君提出連帯保証人制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員櫻井充君提出連帯保証人制度に関する質問に対する答弁書

一について

 我が国におけるのと同様に、保証人が、御指摘の催告の抗弁権、検索の抗弁権及び分別の利益を有しないものとされる制度は、例えば、アメリカ合衆国、英国、ドイツ、フランスにおいても、存在していると承知している。

二及び三について

 連帯保証人制度については、いわゆる中小企業において、金融機関から融資を受ける際の債務者の信用補完手段の一つとして利用されているものと承知しているが、保証人が過大な責任を負いがちな保証契約については、その内容を適正化するという観点から、保証制度の在り方の見直しを行う必要があるものと認識しており、現在、法務省において、関係省庁とも連携をとりながら、根保証契約を締結する場合に限度額や保証期間を定めるものとすることを含め、必要な措置を講ずることを検討しているところである。

四について

 いわゆる中小企業の経営者等が企業の債務について連帯保証人となっていることが、事業の再生や清算に着手することを躊躇する原因の一つとして指摘されていることは承知している。他方において、保証制度の内容を過度に制約することにより信用収縮を招くなど円滑な金融を阻害するおそれもあると考えられ、法務省においては、二及び三についてで述べたとおり、関係省庁とも連携をとりながら、保証制度の在り方について検討しているところである。

五について

 金融機関が融資を行うに際しての融資条件については、個々の金融機関の経営判断に基づき提示され、当事者間において私法上の契約として合意される事項であることから、政府として、担保不動産の価値が下落した場合の契約上の取扱いについて判断する立場にはないと考えている。
 また、いわゆる「ノンリコースローン」の普及に関するお尋ねについては、一般論として、金融機関が多様な融資条件により融資を行うことは、金融の円滑に資すると考えられる。金融庁においては、平成十五年三月二十八日に公表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」等に沿って、金融機関に対し、担保・保証に過度に依存しない融資の推進を促しているところであるが、金融機関がどのような融資条件で個々の融資を行うかについては、飽くまで個々の金融機関の経営判断及び当事者間の契約にゆだねられている。