質問主意書

第157回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

警察庁の外国人滞在者統計データに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十五年九月二十九日

福島 瑞穂   


       参議院議長 倉田 寛之 殿



   警察庁の外国人滞在者統計データに関する質問主意書

 昨今、日本に滞在する外国人による犯罪が増えているといわれているが、果たして実際のところはどうなのであろうか。日本に滞在する外国人に関する基本統計データを数値上しっかりと調査研究することは、事実を正確に把握し考えていくに当たり非常に大切であると思われ、また、不必要な偏見に基づく思い込みの可能性を排除し真に犯罪を減少せしめる合理的な対応策を考えるため、非常に有効であると考える。
 こうした問題意識から、以下質問する。

一 過去十四年間(平成元年から平成十四年)の「来日外国人」の在留資格別刑法犯の検挙件数及び検挙人員について、その総数及び在留資格(「外交・公用・その他」「興行」「短期滞在」「留学」「就学」「研修」「定住者」「不法滞在」)別内訳数を明らかにされたい。このうち、「不法滞在」刑法犯の検挙件数及び検挙人員については、「不法入国」「不法上陸」「不法残留(興行)」「不法残留(短期滞在)」「不法残留(留学)」「不法残留(就学)」「不法残留(研修)」「不法残留(その他)」別内訳数も併せて明らかにされたい。

二 過去十四年間(平成元年から平成十四年)の「定着居住者」「駐留米軍関係者」「在留資格不明者」別の刑法犯包括罪種別検挙件数及び検挙人員について、その総数及び包括罪種(「凶悪犯」「粗暴犯」「窃盗犯」「知能犯」「風俗犯」「その他の刑法犯」)別内訳数を明らかにされたい。

三 過去十四年間(平成元年から平成十四年)の東京都における来日外国人による刑法犯罪種別検挙件数及び検挙人員について、来日外国人全体及び在留資格(「定住者」「短期滞在」「留学」「就学」「興行」「研修」「不法残留」「不法入国」「不法上陸その他」)区分ごとに、その総数及び包括罪種(「凶悪犯」「粗暴犯」「窃盗犯」「知能犯」「風俗犯」「その他の刑法犯」)別内訳数を明らかにされたい。なお、「凶悪犯」については「殺人」「強盗」「放火」「強姦」別、「粗暴犯」については「暴行」「傷害」「脅迫」「恐喝」別、「知能犯」については「詐欺」「横領」「偽造」別、「風俗犯」については「賭博」「強制わいせつ」「公然わいせつ・わいせつ物」別のそれぞれ内訳数を、また「その他の刑法犯」についてはそのうちの「占有離脱物横領」の数を、併せて明らかにされたい。

四 過去十四年間(平成元年から平成十四年)の中国国籍(台湾・香港を除く)外国人による刑法犯罪種別検挙件数及び検挙人員について、その全体及び在留資格(「短期滞在」「留学」「就学」「定住者」「興行」「研修」「不法残留」「不法入国」「不法上陸その他」)区分ごとに、その総数及び包括罪種(「凶悪犯」「粗暴犯」「窃盗犯」「知能犯」「風俗犯」「その他の刑法犯」)別内訳数を明らかにされたい。なお、すべての項目において女性の件数及び人員を内数で示されたい。

五 過去十四年間(平成元年から平成十四年)の「来日外国人」「その他の外国人」「日本人」の刑法犯と窃盗犯の検挙件数及び検挙人員のうち、「単独犯」と「複数犯」の数をそれぞれ明らかにされたい。また、「複数犯」については、「二人組」「三人組」「四人組」「五人組」「六人から九人組」「十人組以上」別に分類し、その検挙件数及び検挙人員を「来日外国人」「その他の外国人」「日本人」別にそれぞれ明らかにされたい。

六 過去五年間(平成十年から平成十四年)の「来日外国人」のピッキングによる侵入盗及び「不法滞在者」とそのうちの「不法入国者」のピッキングによる侵入盗の検挙件数及び検挙人員を明らかにされたい。また、中国人のピッキングによる侵入盗の検挙件数及び検挙人員並びに中国人「不法滞在者」とそのうちの中国人「不法入国者」のピッキングによる侵入盗の検挙件数及び検挙人員をそれぞれ明らかにされたい。

七 以上のことから、外国人による犯罪が増えているといわれていることが妥当であるのか、近年の外国人犯罪の傾向及び対応策について、政府の見解を示されたい。

  右質問する。