質問主意書

第157回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一号

ミニトマトに係る経過措置農薬に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十五年九月二十九日

八田 ひろ子   


       参議院議長 倉田 寛之 殿



   ミニトマトに係る経過措置農薬に関する質問主意書

 ミニトマトは、一九八〇年代になり急速に普及し、現在ではトマトの一〇%くらいのシェアを持つ作物となっている。
 昨年の農薬取締法の改正により農薬登録における適用作物のグループ化が行われた。このグループ化に当たって一方では、従来、同じ農薬が使用できたトマトとミニトマトはグループ上は分離され登録されることとなった。このため、従来のようにトマトとミニトマトには同じ農薬が使えるのではなく、それぞれ別々に登録された農薬を使用することとなった。
 そして、トマトに登録された農薬の名称が七二九個に上るのに、ミニトマトに登録された農薬の名称は一九九個にしかなっていない(二〇〇三年九月九日現在)。そのため、これまでミニトマトに使用してきた農薬で従来のとおり使用できないものが多数生まれることとなった。
 例えば、4-CPA液剤(トマトトーン)は農薬に登録されて三〇年以上が経過しているが、今回トマトに登録されているがミニトマトには登録されておらず、これまでのようにミニトマトに使用するためには経過措置農薬として農林水産大臣の承認を受けなければならないこととなった。しかし、農林水産大臣の承認を受けてとりあえずの使用ができても、二年間の経過措置終了後に使用ができるかどうかは、トマトの登録農薬であっても農薬メーカーが農薬の薬効、残留性などの試験成績を整えてミニトマトへの適用作物の追加を登録するかどうかに懸かっており、正に農薬メーカー任せとなっている。
 こうした中で、生産者の不安や疑問が生まれているので、以下質問する。

一 経過措置農薬の使用に当たっては、県の措置要綱によって使用する農家に残留分析が求められており、この試験費用は農薬一種類で三万円(4-CPA液剤の場合)もの負担となっており、こうした農家負担はなくすべきではないのか。 

二 残留分析に当たっては農家の自己責任において分析機関を確保することとされており、一方、行政では民間企業を有利に扱えないとして分析機関の紹介はできないとされている。これでは、実態として農家は残留分析の分析機関を確保できず経過措置が受けられないことになるのではないか。

三 4-CPA液剤については多くの県に対して経過措置農薬として承認がなされ、さらに同じ県においてもいくつもの生産者団体に対して承認がなされている。こうした中で、残留分析を使用者のすべてに求めるのは残留分析が重複することとなり合理的ではないのではないか。

四 経過措置の期間中に、農林水産大臣の承認した農薬とその適用作物のそれぞれの組合せについては、国の責任で農薬の薬効試験、作物の残留試験など必要な試験を行い、適切に適用作物の追加登録が促進されるよう農薬メーカーなどへの指導も強め、都道府県、市町村などの協力も要請し、万全の体制と財政措置を採るべきではないのか。

  右質問する。