質問主意書

第156回国会(常会)

答弁書


答弁書第五〇号

内閣参質一五六第五〇号
  平成十五年九月五日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員福島瑞穂君提出「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」の実施状況に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島瑞穂君提出「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」の実施状況に関する質問に対する答弁書

一について

 電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(平成十四年法律第六十二号。以下「法」という。)附則第三条の規定に基づき調整して得られる新エネルギー等電気の基準利用量(以下「調整後の基準利用量」という。)は、法第五条の規定の施行の際現に電気事業者(法第二条第一項に定義する電気事業者をいう。以下同じ。)である者のうち、法第五条の規定に従って新エネルギー等電気の利用をすることが著しく困難であると経済産業大臣が認定した電気事業者に対し、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法附則第三条に規定する基準利用量の調整に係る経済産業大臣が定める方法(平成十五年経済産業省告示第三十号)に従って定められたものである。各電気事業者の平成十五年度における新エネルギー等電気の法第四条の規定により算定される基準利用量及び調整後の基準利用量は、別表第一のとおりである。

二について

 法附則第三条に規定する経過措置は、法施行時点における新エネルギー等電気の利用実績が低い電気事業者に係る基準利用量は現実に即した量から開始して、平成二十二年度に向けて段階的に基準利用量が高くなり、平成二十二年度にはすべての電気事業者が法第四条の規定により算定される基準利用量を達成するように定められている。したがって、この経過措置は法の目的をないがしろにするものではない。

三について

 すべての電気事業者に係る平成十五年度以降の調整後の基準利用量は、段階的に増加することが見込まれており、平成二十二年度には法第四条の規定により算定される基準利用量を達成するように定められることから、電気事業者の新エネルギー等電気の利用のための努力は必要不可欠であり、新エネルギー等電気の普及のインセンティブになると考えている。

四について

 すべての電気事業者に係る平成十五年度以降の調整後の基準利用量は、段階的に増加することが見込まれており、平成二十二年度には法第四条の規定により算定される基準利用量を達成するように定められることから、新エネルギー等発電設備の普及促進が図られると考えている。

五について

 法の背景となる基本的考え方は、電気事業者の利用する新エネルギー等電気の選択を当該電気事業者に委ねることにより、新エネルギー等発電事業者のコスト削減努力を促し、市場原理によって、新エネルギー等の普及に係る国民負担を最小化することを目指すものである。このことから、法第二条第二項各号に掲げるエネルギーを同一の条件で取り扱っている。なお、補助金は、それぞれの政策上の目的に応じて交付されるものであり、バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。)をいう。以下同じ。)を熱源とする廃棄物発電以外の新エネルギー等発電設備に関しても補助金が交付されている。

六及び七について

 バイオマスを熱源とする新エネルギー等発電設備に関しては、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則(平成十四年経済産業省令第百十九号)第十二条及び電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法の運用に関する留意事項等(平成十五年二月十三日付け十五資省部第二十一号経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長通知)に基づき、当該設備の電気の供給量のうち、バイオマスを熱源とする熱を変換して得られる電気の量の比率を的確に把握できるものを認定することとしており、法第十条に基づく供給した電気の量等の届出の際には、当該比率の計算根拠を確認することとしている。
 また、新エネルギー等発電設備に係る情報については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第五条に定める不開示情報が含まれていることから、当該情報のすべてを公開することは行っていない。

八について

 電源開発株式会社及び日本原子力発電株式会社は、一般電気事業者にその一般電気事業の用に供するための電気を供給する卸電気事業者である。これらの者に新エネルギー等電気の利用を義務付けることは、義務の重複を招くことから、これらの者に対する義務付けは行っていない。また、核燃料サイクル開発機構は、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十号に規定する電気事業者に該当せず、核燃料サイクルに関する技術開発に伴って発電された電気を一般電気事業者に売電している特殊法人であることから、同様の理由により義務付けは行っていない。

九について

 お尋ねの「電力各社における新エネルギー等電気相当量を除く購入単価」は、別表第二のとおりである。
 なお、電気事業法第二条第一項第六号に規定する特定電気事業者及び同項第八号に規定する特定規模電気事業者は、「新エネルギー等電気相当量を除く購入単価」をあらかじめ設定していない。

十について

 お尋ねの「新エネルギーの価値」すなわち「新エネルギー等電気相当量」の売買価格は、需給状況等を反映して、電気事業者と新エネルギー等発電事業者との取引において決められるものである。なお、家庭等に設置され、他の新エネルギー等電気に比べ発電コストが高い太陽光発電による電気については、法施行後も、一般電気事業者による余剰電力購入メニューにより、従前と同様の価格で売買されている。

別表第一 1/4

別表第一 2/4

別表第一 3/4

別表第一 4/4

別表第二 1/10

別表第二 2/10

別表第二 3/10

別表第二 4/10

別表第二 5/10

別表第二 6/10

別表第二 7/10

別表第二 8/10

別表第二 9/10

別表第二 10/10