質問主意書

第156回国会(常会)

答弁書


答弁書第四一号

内閣参質一五六第四一号
  平成十五年八月二十九日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員平野貞夫君提出公益法人の指導監督責任に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員平野貞夫君提出公益法人の指導監督責任に関する再質問に対する答弁書

一について

 御指摘の報道があった平成十四年七月十六日に、静岡県に対し、財団法人冨士霊園(以下「財団」という。)が同県小山町の保安林を違法に開発した事実の有無を電話で照会したところ、そうした事実はない旨の回答があったため、その時点では、何らかの措置を講ずる必要はないと判断したものである。
 その後、先の質問主意書(平成十五年四月十七日質問第二四号。以下「前回の質問主意書」という。)を受けて、本年五月六日付けで、同県に対し、財団が当該保安林を違法に開発した事実の有無を文書で改めて照会したところ、同月七日付けで、そうした事実はない旨の回答があり、財団が当該保安林を違法に開発した事実はないことを再確認したものである。

二について

 御指摘の「墓地利用者からの問い合わせ」は「世間話」や「噂」に基づくものであったところ、前回の質問主意書によって問題点が明確になったため、これに関する調査を行うこととし、その結果を本年五月十二日付けで当該墓地利用者に回答したものである。

三について

 本年七月八日付けで、静岡県に対し、財団がこれまでに都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第二十九条に基づく許可を得る必要があったにもかかわらず無許可で墓地の経営又は区域の変更を行った事実があるかどうか等について照会したところ、同月二十二日付けで、財団が墓地の建設に関して同条に基づく許可を受けた事実はなく、また、財団が同条に違反したとの事実も承知していない旨の回答があったところである。

四について

 御指摘の横領事件(以下「本事件」という。)については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第六十七条第二項に基づき、本年四月三十日付けで、財団に対し、その事実の有無、財団による処置等について報告を命じたところ、同年五月七日付けで、本事件が財団事務局内の事務管理上の問題であり財団内部で処理するのが妥当と判断したこと、本事件の当事者の親族及び保証人が横領金は責任をもって返済すると確約し、財団に対し深い陳謝の意を表明したこと、本事件の当事者は深く反省していること、横領金が約束どおり全額一括返済されたこと並びに本事件の当事者の立ち直りも考慮する必要があることから、厚生省に報告する必要がある事案ではないと判断した旨の報告があった。
 右の財団からの報告を踏まえ、同項に基づき、同月十四日付けで、財団に対し、平成十一年七月に財団において横領の事実が判明した際、理事及び監事がその事実を把握しながら厚生省への報告を怠っていたことは適正を欠くものであり、理事及び監事の職務の執行が適正に行われるよう、早急に必要な措置を講ずるよう改善勧告を行ったところ、本年六月四日付けで、今後はそのような事態が生じないよう、総力を挙げて取り組む旨の回答があったところである。
 今後とも、財団の運営が民法等に基づき適正に行われるよう、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」(平成八年九月二十日閣議決定)等を踏まえ、適切に指導監督を行ってまいりたい。