質問主意書

第156回国会(常会)

答弁書


答弁書第三一号

内閣参質一五六第三一号
  平成十五年七月八日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員平野貞夫君提出CS放送に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員平野貞夫君提出CS放送に関する再質問に対する答弁書

一について

 先の答弁書(平成十五年五月二十三日内閣参質一五六第一九号)三についてで答弁したとおり、CS放送は新たな事業の形態であり、立ち上がり期にあるため、収支が黒字であるCS放送事業者の数は、増加してきているものの、いまだ四割程度にとどまっているものと考える。

二及び三について

 先の答弁書三についてで答弁したとおり、CS放送事業者のCS放送事業に係る収益は順調に伸びてきているとともに、収支が黒字であるCS放送事業者の数も増加してきているところである。また、ジェイサット株式会社の収支は平成九年度以降、黒字に転換しているが、昭和六十年二月の設立から十六年を経た平成十二年度に至って累積損失を解消したものと承知している。このような現状も踏まえ、先の答弁書四について及び五についてでそれぞれ御指摘のような答弁をしたものである。

四及び五について

 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第五十二条の四第三項は、受信者の利益の保護を図る観点から、有料放送事業者に対して受信者に提供する有料放送の役務の料金を届け出ることを義務付けており、CS放送事業者がいわゆる番組パッケージに参加した場合の届出には、当該CS放送事業者が得ることとなる分配額ではなく、受信者が支払うことになる番組パッケージ全体の料金が記載されるものと解している。
 また、お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、先の答弁書九についてで答弁した役務の料金の変更届出書は、株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズからのものではなく、番組パッケージに参加する個々のCS放送事業者からのものである。なお、一般に届出の主体は、当該届出書の作成名義人であり、届出書を持参した者が当然に当該届出の主体となるものではないと考える。

六について

 総務省において開催した「衛星放送の在り方に関する検討会」の最終取りまとめ(平成十四年十二月二十五日)及び「ブロードバンド時代における放送の将来像に関する懇談会」の「デジタル放送推進のための行動計画(第二次)」(平成十五年一月二十九日)において、CSデジタル放送の普及発展のためプラットフォーム事業者において業務に係るガイドラインを策定し、公表することが提言されたことを受け、その策定に資するものとして、総務省において同年二月七日以降「CSデジタル放送に関係する事業の在り方に関する検討会」を開催し、同年四月十七日、「衛星放送におけるプラットフォーム事業者の業務に係るガイドラインに関する指針」(以下「指針」という。)が取りまとめられたものである。

七について

 指針のお尋ねの箇所については、委託放送事業者及び衛星役務利用放送事業者(以下「委託放送事業者等」という。)から定型的な役務の対価として徴収する手数料等について、委託放送事業者等に対し、どの役務に対応したものか及びその役務の範囲を明示するとともに、定期的にその使途の概要を説明することなどが示されていることから、定型的な役務の対価として徴収する手数料額が明示されていることは当然の前提とされており、また、手数料額の算定の基準等を明確にすることについては示されていないことから、これを明確にすることまでは求められていないと考える。なお、株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズが定型的な役務の対価として徴収する手数料等については、同社と委託放送事業者等の間で締結される契約書に記載されているものと承知している。

八について

 番組パッケージに関して視聴者に対し明示されるべき有料放送の役務の料金は、視聴者が支払うことになる番組パッケージ全体の料金であり、当該料金から個々の委託放送事業者等が得る分配額ではないと考える。

九について

 例えば、番組パッケージの組成について、当該プラットフォーム事業者に係る衛星放送全体のマーケティング及びプラットフォーム事業者の事業負担以外の観点から助言・提案する場合、委託放送事業者等の意思に反するおそれのある行為について、あらかじめその内容及び実施に至る手続を明示しないで行う場合などである。

十について

 株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズは、株式会社シー・ネットの経営状況が悪い状況において、国会中継をどのような形で継続できるかについて同社と話合いをしていた時期があると承知している。その話合いの詳細については承知していないが、民間企業間における商取引行為として、委託放送事業者等としての事業の継続を断念し、番組供給会社となることを提案することは、指針に反するものではないと考える。

十一について

 株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズは、委託放送事業者として番組紹介用のチャンネルの認定を受けており、当該チャンネルにおいて国会中継の放送を行ったことは、認定を受けた委託放送事項である番組紹介の範囲を超えているとは言えないと考える。

十二から十四までについて

 お尋ねのような届出を受けた事実はない。

十五について

 御指摘のガイドラインの策定は、プラットフォーム事業者の自主的な取組であり、具体的な策定の時期を指示し得るものではないが、株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズに対し、早期の策定を要請してきたところ、同社においては、株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズに関するプラットフォーム業務に係るガイドラインを策定し、本年七月一日、公表したものと承知している。