質問主意書

第156回国会(常会)

答弁書


答弁書第二六号

内閣参質一五六第二六号
  平成十五年六月十七日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員中村敦夫君提出アユ冷水病に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員中村敦夫君提出アユ冷水病に関する質問に対する答弁書

一について

 水産庁において、内水面漁業に関する記録が残されている平成五年度以降について調べたところ、全国の内水面漁業協同組合に対し、琵琶湖産アユの冷水病感染についての通知を公文書により行ったことはない。

二及び三について

 昭和六十二年に初めて徳島県の養殖場で発生したアユの疾病については、平成四年に日本魚病学会において、当該疾病がアユの冷水病である旨の研究報告が発表されたところである。当該研究報告等を踏まえて、徳島県、滋賀県等の関係県においては、水産庁の指導により、アユの冷水病関係地域対策合同検討会(平成六年度から九年度まで)を、水産庁においては、関係都府県の研究機関、全国内水面漁業協同組合連合会等を構成員とするアユ冷水病対策研究会(平成十年度から十二年度まで)及び都道府県の関係部局、全国内水面漁業協同組合連合会等を構成員とするアユ冷水病対策協議会(平成十三年度以降)を開催し、アユの冷水病に関する共同研究及びまん延防止対策を実施してきたところである。
 都道府県においては、アユ冷水病対策研究会等を通じて得られた知見を踏まえ、アユの冷水病の発生域の拡大を防止するため、全国の内水面漁業協同組合に対し、アユ種苗の飼育管理技術、放流に当たっての留意事項等について指導を行ってきたところであり、これらの都道府県による指導を通じて、アユの冷水病に関する情報が全国の内水面漁業協同組合に適切に提供されてきたものと考えている。
 また、御指摘の法令による規制を行うためには、アユの冷水病の感染経路、発病条件、冷水病に感染したアユ種苗の放流とアユ冷水病の発生の因果関係等について相当程度明らかにすることが必要と考えられるところ、現時点においては、それらについて十分な科学的知見が得られていない。

四について

 アユ以外の魚種が冷水病に感染した原因については、アユ冷水病対策協議会の調査・研究部会において、アユから他魚種への冷水病感染の可能性についての研究等を実施しているところであり、これまで得られた研究成果によれば、アユから他魚種への冷水病の感染の可能性は低いと考えられるが、今後ともその解明に努めてまいりたい。

五について

 冷水病の年度別・魚種別の発生状況で把握しているもの(アユについては過去十年間、アユ以外の魚種については過去五年間)は、別表のとおりである。

別表 (1/3)

別表 (2/3)

別表 (3/3)