質問主意書

第156回国会(常会)

答弁書


答弁書第二号

内閣参質一五六第二号
  平成十五年二月二十一日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員高嶋良充君提出公務員制度改革の考え方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員高嶋良充君提出公務員制度改革の考え方に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「勤務条件に係る事項についての人事院による事前の規制」とは、先の答弁書(平成十四年十二月十七日内閣参質一五五第一〇号。以下「答弁書」という。)で述べたとおり、当該事項について各主任大臣等が事前に人事院の承認若しくは決定を受け、又は人事院と協議をしなければならないものが該当するものと認識しているところ、このようなものとして具体的には、例えば、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)や一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)に基づく各種の人事院の事前の承認等が該当し得ると考えられるが、このような人事院の事前の承認等は広範多岐にわたることから、これについて個別の事項を網羅的にお示しすることは困難である。

二から四までについて

 お尋ねの勤務条件に係る事項についての人事院による事前の規制のうち各主任大臣等が機動的な行政運営を行う上での制約となっているものが具体的にどのようなものであるのか、そしてそれをどのように見直していくのか等については、答弁書で述べたとおり、「公務員制度改革大綱」(平成十三年十二月二十五日閣議決定)に基づき、職員の利益の保護及び人事行政の中立性・公正性の確保に留意しつつ現在検討中であることから、これをお示しすることは困難である。
 なお、各主任大臣等が機動的な行政運営を行う上での制約となっている人事院による事前の規制としては、勤務条件以外に係るものとして、例えば、後述の五の1から3までについてで掲げる人事院の認定等が挙げられることから、かかる人事院による規制は各主任大臣等が機動的な行政運営を行う上での制約となっている面があるとの認識を「言わば思い込みで公務員制度改革大綱に盛り込んだ」との御指摘は当たらない。

五の1から3までについて

 お尋ねは、人事行政の中立性・公正性の確保の観点から各主任大臣等が事前に人事院の承認等を受ける仕組みについてであると考えられるところ、このようなものは広範多岐にわたっており、そのうち各主任大臣等が機動的な行政運営を行う上での制約となっているものとしては、例えば、次のものが挙げられる。
 (一) 国と民間企業との間の人事交流に関する法律(平成十一年法律第二百二十四号)第十九条第一項の規定により任命権者が民間企業に雇用されていた者を交流採用する場合において、同条第二項の規定によりその実施に関する計画について人事院の認定を受けなければならないこと。
 (二) 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律(平成十二年法律第百二十五号)第三条の規定により任命権者が選考により任期を定めて職員を採用する場合に人事院の承認を受けなければならないこと。
 これらを含め、具体的にどのような事項についてどのように見直しを行っていくかについては、「公務員制度改革大綱」に基づき、人事院による事後チェック化を含め、現在検討中である。

五の4及び5について

 人事院の事後チェックに転換する場合においても、各主任大臣等が明確な基準に基づき、人事行政について主体的に責任を持って取り組んでいくこととするとともに、人事院が適切に関与することができるようにすることにより、今後とも人事行政の中立性・公正性の確保が図られるようにしてまいりたい。