質問主意書

第156回国会(常会)

質問主意書


質問第二三号

水源涵養保安林に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十五年四月十七日

平野 貞夫   


       参議院議長 倉田 寛之 殿



   水源涵養保安林に関する質問主意書

 水源の確保・保全は、現在、国レベルを超え、地球規模の問題となっている。
 我が国では、河川勾配が急で、滞水時間が短いことから、古来、山林の保水力を水源涵養と洪水防止のための重要な資源として確保・保護してきた歴史がある。
 この中にあって、水源涵養保安林は、特に重要とされる森林に対し、伐採などすべての開発を規制し、水源を確保することを目的として、法による指定を受けた森林である。
 つまり、保安林の持つ機能は、土地の所有者のいかんを問わず、国民すべての共有の権利であるといえる。
 保安林の指定・保護・保全を正しく機能させることは、今後の国全体の水源確保など、国家・国民にとって非常に重要な施策である。
 このような立場から、次の点について質問する。

一、水源涵養保安林の指定は、どのような計画及び基準に基づいて行われているのか。

二、水源涵養保安林の指定解除は、どのような条件及び基準に基づいて行われているのか。

三、水源涵養保安林の指定について、面積は重要な要因であるのか。

四、静岡県駿東郡小山町大御神字内山八八〇番地他の森林は、昭和三十六年二月に水源涵養保安林に指定され、その面積は十二万八千四百六十九平方メートルとされている。これが、平成十年四月一日付けで四万八千八百八十九平方メートルと約八万平方メートル減じられている。これは、どのような経緯によるものであるのか。

五、四に示したように、指定面積の三分の二に達する減少は、どのような手続によって可能であるのか。

六、森林面積は、保水力の基本的要素であることから見て、四のような事例が正規の手続で可能ならば、制度そのものに重大な欠陥があるのではないか。

  右質問する。