質問主意書

第155回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質一五五第八号
  平成十五年一月三十一日
内閣総理大臣 小 泉 純 一 郎   


       参議院議長 倉 田 寛 之 殿

参議院議員堀利和君提出柔道整復師の施術に係る療養費の支給に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員堀利和君提出柔道整復師の施術に係る療養費の支給に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 医療保険制度により支給される柔道整復師の施術に係る療養費(以下「療養費」という。)については、平成五年十二月三日付けの会計検査院からの処置要求及び平成七年九月八日付けの医療保険審議会柔道整復等療養費部会の意見を踏まえ、その適正な支給を確保するため、次に掲げるような措置を講じたところである。

1 平成六年以降、長期にわたる又は多くの部位にわたる療養費についての逓減制を順次強化するとともに、療養費の支給対象となる疾患を明確化する等療養費の算定基準を見直した。
2 平成十一年に、全都道府県において医療保険者、施術者及び学識経験者により構成される審査委員会を設置することとし、審査体制の整備を図った。
3 平成十一年に、施術者に対する指導及び監査に関する基本事項について定める指導監査要綱を策定した。
 これらの措置により、療養費に係る審査並びに指導及び監査のために必要な体制が整備されたところであり、今後ともこれらの適正な運用を図ってまいりたい。

三について

 「亜急性」とは、身体の組織の損傷の状態が急性のものに準ずることを示すものであり、「外傷性」とは、関節等の可動域を超えた捻れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を示すものである。

四について

 患者が捻挫等を自覚するか否かについては、患者が受けた外力や身体の組織の損傷の程度、患者の状態等によって異なるものと考えられる。

五について

 御指摘の「神経痛、腰痛、五十肩、肩こり、全身疲労」が医学的に見てどのような範囲の疾病を指すのか明らかではないが、療養費の支給対象は、急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫並びに急性又は亜急性の介達外力(間接的に加えられる外力)による筋又は腱の断裂であり、これらに該当しない場合は療養費は支給されない。
 また、柔道整復の業務又は施術所に関する広告については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第二十四条第一項第一号から第三号までに掲げる事項及び同項第四号に基づき現在厚生労働大臣が定めている事項である「医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)」以外の事項を広告することは、違法である。

六について

 五についてで述べたとおり、療養費は急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫並びに急性又は亜急性の介達外力による筋又は腱の断裂を支給対象としているところであり、「患者調査」で用いられている傷病小分類の「筋骨格系及び結合組織の疾患」の中には療養費の支給対象となるものもあり得ると考えている。なお、柔道整復の施術所は同調査の対象施設には含まれない。
 また、「国民生活基礎調査」において記入することとされている傷病は、調査対象者が最も気になる傷病を主観的に選択するという調査方法を踏まえて分類されているものであり、医師の診断に基づき記入される傷病名とは異なることから、同調査にいう「筋骨格系」の各傷病等が療養費の支給対象となるか否かを一概にお答えすることは困難である。

七について

 平成十五年一月時点での療養費に係る審査委員会の設置状況等は、別表のとおりである。
 なお、地方社会保険事務局及び国民健康保険団体連合会に設置されている療養費に係る審査委員会においては、政府管掌健康保険、船員保険、国民健康保険、老人保健等に係るすべての支給申請書について審査を行うこととされている。

八について

 「国民生活基礎調査」では、調査対象者が、保険診療か自由診療かを問わず、最も気になる傷病を主観的に選択して記載しているものであり、例えば、調査対象者が複数の傷病を有する場合に、療養費の支給対象となる疾患が傷病名として記載されないこともあるため、同調査における「骨折以外のけが、やけど」による通院者数の推移と療養費の支給額の推移とを単純に比較することは、必ずしも適当でないと考えている。

九について

 療養費については、その適正な支給を確保するため、審査委員会における審査、地方社会保険事務局長及び都道府県知事による指導及び監査並びにこれらに必要な調査が適切に実施されることが重要であり、厚生労働省においても、関係者に対する指導を行うとともに、審査状況等の把握に努めてまいりたい。


別表(1/2)

別表(2/2)