質問主意書

第155回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第五号

内閣参質一五五第五号
  平成十五年二月十四日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員中村敦夫君提出島々谷の砂防に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員中村敦夫君提出島々谷の砂防に関する質問に対する答弁書

一について

一級河川信濃川水系島々谷川(以下「島々谷川」という。)の流域は、急峻な地形に加え、地質がぜい弱であり、土砂災害が発生しやすいという特性を有しているため、今後とも、島々谷川の有する自然環境及び景観にも配慮しつつ、国民の生命及び財産を守るため、土砂災害に対する安全性の向上に努めていくこととしている。

二について

 御指摘の「一九九九年の大雨」とは、平成十一年六月二十九日及び三十日の大雨のことを指すものと思われるが、当該大雨による土砂の影響を確認した限りでは、「島々谷川第三号砂防ダムより下流において最も被害が出ていた」との御指摘は当たらないと考えている。

三について

 島々谷第一号砂防ダムは、その上流側が山腹の崩壊のおそれがある等の特性を有しているため、当該砂防ダムの堆積土砂によって山腹の崩壊を防止する山脚固定の機能等を確保する構造としているところ、御指摘のように「オープン型(スリット型)」へ改築することは、その機能を減ずることとなるので、適当ではないと考えている。

四について  

 御指摘の「二股トンネルの出入口近辺の川原」及び「ワサビ沢トンネル」の建設廃土は、砂防事業の実施上必要な工事用道路の設置等に利用したものであり、また、御指摘の「旧営林所作業小屋近辺の川原」の建設廃土は、流域外に搬出することが困難なため、河川の土砂調節機能を著しく低下させることがないよう河川の形状、周辺の地形等を勘案し、流域内において適切に処理したものである。

五について  

 三についてで述べたとおり、島々谷第四号砂防ダム及び島々谷第五号砂防ダムについても、山脚固定の機能等を確保するため、御指摘のとおり満砂状態としているものである。
 なお、島々谷第五号砂防ダムは、昭和六十二年に完成したものであり、当該砂防ダムの建設廃土が島々谷第四号砂防ダムに流れ込んでいるという御指摘の事実については、確認されていない。
 また、平成十一年六月二十九日及び三十日の大雨の際に、島々谷第五号砂防ダムの上流側に工事用道路として盛土した土砂の一部が流出したことは承知しているが、当該流出の後、速やかに盛土の法面に対して必要な流出防止対策を講じたところである。

六について

 島々谷川に関する砂防事業については、従来から、当該事業の内容、環境調査の結果、土砂の流出状況等について、安曇村等関係機関や住民に対し説明してきたところであり、今後とも、必要に応じて、適切に住民等への説明を行い、理解の促進に努めてまいりたい。