質問主意書

第154回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

国際協力におけるNGOとのパートナーシップの在り方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十四年一月三十一日

谷 博之   


       参議院議長 井上 裕 殿



   国際協力におけるNGOとのパートナーシップの在り方に関する質問主意書

 憲法前文にあるように、我が国の安全と生存は、全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する中で初めて保持されるのであり、日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓っている。当然、我が国政府による国際協力は、単に我が国の国益に照らして行われるべきではなく、より公益的に、地球益という視点に立って行われなければならない。NGO(非政府組織)は正に国益を超えた活動を展開しており、各国政府や国際機関がNGOとの対等なパートナーシップを不可欠としていることは世界の標準、時代の趨勢である。
 一方、我が国においては平成十二年八月、NGO、経済界、政府が対等なパートナーシップの下、三者一体となり、それぞれの特性・資源をいかし、協力・連携して難民発生時や自然災害時の国際緊急援助をより効率的かつ迅速に行うことを目的にジャパン・プラットフォーム(以下「JPF」という。)が発足した。
 本年一月に東京で開かれたアフガニスタン復興支援国際会議において、日本政府がそのJPFともう一つのNGOの参加を一度拒否したことは、日本はNGO政策において否定的であるとのメッセージを世界に向けて発信することになり、大変遺憾である。この質問主意書に対する答弁は訳出する予定であるので、世界のNGOへの汚名返上のメッセージとして、答弁されたい。
 そこで、次の点について質問する。

一 本年一月二十日のアフガニスタン復興支援に関するNGO会議及び二十一日のアフガニスタン復興支援国際会議第一日目に多くのNGOが参加を希望したため、その幾つかを会場の都合で拒否せざるを得なかったとのことだが、その対象にJPFを入れたのはいかなる理由か。

二 翌二十二日の同会議二日目にJPFの参加を認めたのはいかなる理由か。

三 二十二日の会議に参加したJPFは、NGOとしての資格で参加したのか。

四 ジャパン・プラットフォーム評議会は、JPFにおいてどのような役割を果たしているのか。

五 評議会は特定非営利活動法人「ジャパン・プラットフォームNGOユニット」の運営と活動にどのような権限を持っているのか。

六 ジャパン・プラットフォーム評議会に参加している外務省無償資金協力課小原雅博課長は、政府代表として参加しているのか。小原課長が参加している理由と必要性を説明されたい。

七 JPFに政府関係者が参加していながら、政府主催の会議にその出席を拒否したことの整合性を説明されたい。

八 外務省が設立に参加したJPFとはどのような性格の組織なのか。公的機関なのか、それともNGO(非政府組織)と認識しているのか。

九 政府の施策に批判的な意見を持つNGOは、政府主催の国際協力に関する会議に出席するべきでないと考えているか。そうであれば、その理由を説明されたい。

十 国際協力に関する会議に出席するNGOを、政府の判断で選別することは、どのような法的根拠によるのか。

十一 今後、政府が主催・共催する国際協力に関する会議において、NGOも意見表明、意見交換の機会を持つことは不可欠と認識しているか。

十二 今後、政府が主催・共催する国際協力に関する会議において、そこに参加するNGO代表は、政府が選別するのではなく、NGOの自主性を尊重し、その互選によって決められるべきではないか。

十三 欧米と比して財政基盤の弱い日本や途上国のNGOがそのような会議に参加するために、財政的補助を行うことが必要と認識しているか。

十四 我が国の国際協力活動において、NGOは政府と対等なパートナーと考えているか。また、その理由を説明されたい。

  右質問する。