質問主意書

第154回国会(常会)

質問主意書


質問第二号

自賠責保険の適用除外に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十四年一月二十八日

櫻井 充   


       参議院議長 井上 裕 殿



   自賠責保険の適用除外に関する質問主意書

 自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)の趣旨は、自動車事故において、事実上の無過失責任の形で事故に遭った者の救済を図るものであり、この保険があるため国民は安心して自動車を運転できるものといえる。ところが現在、自動車損害賠償保障法(以下「自賠責法」という。)第十条及び同施行令第一条において、自衛隊の車両や米軍・国連軍の車両(以下「適用除外車両」という。)は自賠責保険に加入しなくてもよいことになっている。そのため、適用除外車両と民間の一般車両が公道で事故を起こした場合、民間側が保険金を手にすることができず、泣き寝入りをすることが増えているとのことである。
 そこで、以下質問をする。

一 自賠責法と同施行令において、自衛隊と米軍・国連軍関係の車両のみ自賠責保険加入義務が適用除外になっている理由は何か。政府の他の車両が自賠責保険加入義務があることとの整合性はあるのか。

二 自賠責法と同施行令の適用除外については、昭和四十五年の施行令改正でその範囲が縮小したことを考えれば現在の条項も廃止できるはずである。政府は、適用除外の条項自体の廃止を考えていないのか。

三 適用除外車両が自賠責保険に加入していないということは、そうした車両と民間の車両及び人が事故に遭った場合、民間側が過失などについて立証しなければならない。政府は民間側がこうした過失の有無等について容易に立証できると考えているのか。また、民間側が立証の負担を負うことは当然と考えているのか。

四 適用除外車両と民間の車両及び人の間で起きた事故件数の過去十年間の推移を示されたい。

五 適用除外車両と民間の車両及び人の間で起きた事故で訴訟が頻繁に起きる理由は何か。

六 適用除外車両と民間の車両及び人の間で事故が起きると、自衛隊の者が現場に急行して警察官の現場検証を待つことなしに、独自の調査を行っただけで立ち去るケースがあると聞いている。これは事実か。もし、このようなことが行われていたとしたら問題はないのか、問題があるならば政府はどのような防止策を講じるつもりか。

  右質問する。