質問主意書

第153回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一五三第四号

  平成十三年十一月二十日

内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 井上 裕 殿

参議院議員円より子君提出外国人登録原票写しの交付請求に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員円より子君提出外国人登録原票写しの交付請求に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 外国人登録法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百三十四号。以下「改正外登法」という。)が施行された平成十二年四月一日から平成十三年八月三十一日までの間における市町村(東京都の特別区の存する区域及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては区。以下同じ。)別の外国人登録原票(以下「登録原票」という。)の写しの交付請求を受けた件数及び当該写しを交付した件数については、いずれも統計がないので答弁することができない。
 ちなみに、平成十二年に登録原票の写し、登録原票記載事項証明書その他の登録原票に登録した事項に関する文書を交付した件数(外国人登録をした外国人本人、その代理人又は同居の親族等に改正外登法の施行の日よりも前に交付した件数を除く。)は、全市町村の合計で八十八万四千百二十一件である。
 なお、公安調査庁が登録原票の写しの交付請求をした件数及び当該写しの交付を受けた件数については、これらが破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)に基づく破壊的団体の規制に関する調査に係る事項であり、公にすることにより、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるので、答弁を差し控えたい。

三について

 国の機関、地方公共団体、弁護士又は特殊法人等が登録原票の写し又は登録原票記載事項証明書の交付請求をする場合については、当該請求が外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号。以下「外登法」という。)以外の法律の規定に基づく場合を除き、外登法第四条の三第六項及び外国人登録法施行規則(平成四年法務省令第三十六号。以下「外登法規則」という。)第三条第二号により、「請求を必要とする理由」及び「請求に係る外国人の氏名、居住地その他当該外国人を特定するに足りる事項」を明らかにしてすることとされており、また、全国の市町村に対し、外国人登録事務取扱要領(平成十二年三月一日付け法務省管登第一、一〇〇号別冊)により、市町村は、請求を受けたときは、請求者に職務執行上の請求理由を具体的に明らかにさせ、国の機関又は地方公共団体がその請求に係る職務を行うことが明確でないときには、行政組織関係法令等の職務遂行の根拠となる規定を明らかにさせて、これに応ずることとする旨を通知しているところである。
 公安調査庁が登録原票の写しの交付請求をする場合の法的根拠は、外登法第四条の三第四項であり、当該請求文書中に、破壊活動防止法第二十七条に基づく破壊的団体の規制に関する調査のため必要である等の記載がされ、かつ、外登法規則第三条第二号に掲げる事項の記載がされていれば、基本的には、「請求を必要とする理由」及び「当該外国人を特定するに足りる事項」が明らかにされているものと考えており、この考えに沿って運用されているものと承知している。

四について

 公安調査庁による登録原票の写しの交付請求は、外登法第四条の三第四項に基づき、同項の定める「法律の定める事務」である破壊活動防止法第二十七条に基づく破壊的団体の規制に関する調査を行うため、同法第三条の規定の趣旨に従い、公共の安全の確保に寄与するという目的を達成するために必要な最小限度においてのみ行っているものである。

五について

 お尋ねの「疑義照会」がどのようなものを指すのか必ずしも明らかではないが、法務省において、公安調査庁による登録原票の写しの交付請求に関し、外登法第四条の三第四項がいわゆる個人情報保護条例の規定又は趣旨と矛盾抵触するのではないかとの照会を地方公共団体から受け、回答した例はない。