質問主意書

第152回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三号

選挙における投票に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十三年八月九日

櫻井 充   


       参議院議長 井上 裕 殿


   選挙における投票に関する質問主意書

 国民の選挙権は憲法第十五条の中で明確に述べられているように、等しく国民に認められたものであるはずである。しかし、特定の国民は選挙から排除されてしまっていたり、立場が不明確な状況に置かれてしまっている。例えば、この夏の参議院選挙で知的障害者が投票しようとした際、ある投票所では他の人が付き添っても問題無かったが、別の投票所では認められなかった、というように投票所によって対応が異なっていた。このような人達の選挙権を保障するために、政府は選挙の在り方について常に実態を把握した上、その改善に努めなければならない。
 そこで、以下質問をする。

一 公職選挙法では、盲目の人は点字によって、身体の故障又は文盲の人は代理投票という形で投票補助者によって投票でき、また、選挙当日に投票所に行くことができない重度の障害がある人などは不在者投票できる旨定められている。しかし、以下の人は選挙権があるといえども実際投票することが難しい人である。彼らが実際に選挙権を行使するために現在どのようなシステムが存在するか。

ア 重度の知的障害により的確な判断ができない人
イ 痴呆老人
ウ 「植物人間」状態の人
エ シックハウス等で投票会場に入れない人

二 投票をする際、ほかの人の手助けがなければそれを行えない人で、公職選挙法で明記されていない人が存在する。このような人に対して投票の手助けをしてもよいか。よいのであればどの程度まで可能か。法的根拠を含めて回答されたい。

三 なぜ投票で候補者や政党の名前を鉛筆で書く方式を採用しているのか。マークシートやパンチ穴などもっと簡易な方法ではできないのか。

四 投票権を持ったすべての人が投票できるための方策を検討するような組織や会議が今まであったか。あるのであれば名称とその報告書を示されたい。なければそのようなことを検討する組織・会議を設置する予定はあるか。

  右質問する。