質問主意書

第152回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一号

米国・デンバー前総領事の公金流用に対する告発文書の処理に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十三年八月八日

櫻井 充   


       参議院議長 井上 裕 殿


   米国・デンバー前総領事の公金流用に対する告発文書の処理に関する質問主意書

 米国・デンバー前総領事の公金流用事件が発覚した。度重なる外務省官僚の不祥事に対し、深い失望と激しい怒りを禁じ得ない。
 今回の事件では特に重要な問題があった。それは、内部告発の放置である。デンバー総領事館の元料理人(以下「告発者」という。)は、機密費で購入した食材を前総領事の家族へ回すように前総領事から指示されたことを指摘した告発文書を、昨年五月に外務省に提出している。この文書は、外務省在外公館課の首席事務官の下に届いたが、外務省は何も手を打たなかった。もし、告発文書が外務省で取り扱われていれば、事件はより早期に発見され、解決されたであろう。
 そこで、今回の告発文書処理の事実確認と、このような告発文書の処理の在り方に関し、以下質問する。

一 告発者は、告発文書をいつ作成したのか。また、その文書を誰にいつ渡したのか。その文書は、その後どのような経過をたどって外務省在外公館課首席事務官まで届けられたのか。各関係者の部署、役職、告発文書の受渡し日時等を明らかにするとともに、各関係者がその部署へ告発文書を渡した理由を示されたい。

二 平成十三年七月二十六日の外務省事務次官臨時記者会見の中で、梅田公使は、告発文書が放置されたことに対し、「きちっとした形で問題提起があったわけではないので、行動を起こさなかった」と発言している。ここでいう「きちっとした形」での問題提起とはどういうことを指すのか。今回のような告発文書を受け取り、その内容に対して調査する制度又は機関等があるならば、具体的に示されたい。

三 今回の事件から考えられるように、官僚不祥事の早期発見、早期解決に当たっては、内部告発を制度的に担保することが重要であると考えるが、政府の見解を示されたい。

四 イギリスやアメリカでは、内部告発をした者が、告発したことによって、左遷、解雇等の不当な不利益を受けないようにするための保護規定を設けている。我が国においても、このような法律が必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。