質問主意書

第151回国会(常会)

答弁書


第百五十一回国会答弁書第三六号

内閣参質一五一第三六号

  平成十三年九月二十五日

内閣総理大臣臨時代理             
国務大臣 福田 康夫   


       参議院議長 井上 裕 殿

参議院議員福島瑞穂君提出出入国管理及び難民認定法の旅券等証明書常時携帯義務違反の運用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員福島瑞穂君提出出入国管理及び難民認定法の旅券等証明書常時携帯義務違反の運用に関する質問に対する答弁書

一について

 昭和五十六年から平成二年までの各年の警察による旅券等の常時携帯義務違反又は呈示義務違反に係る出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)違反事件の検挙件数及び検挙人員は、それぞれ、昭和五十六年が六十九件、五十七人、昭和五十七年が零件、零人、昭和五十八年が七十六件、五十九人、昭和五十九年が八十二件、七十九人、昭和六十年が百六件、九十九人、昭和六十一年が百三十件、百十四人、昭和六十二年が百四十五件、百三十二人、昭和六十三年が八十七件、七十六人、平成元年が百五十三件、百十三人、平成二年が二百五十三件、二百十人である。

二について

 各都道府県警察においては、警察官の職務執行の相手方の人定事項を確認する必要がある場合において、当該相手方が日本の国籍を有する者であるか否かを直ちに確認することができないときは、当該相手方等の供述、関係機関への照会等に基づき当該相手方の国籍を速やかに確認するよう努めており、適正に対処しているものと承知している。

三について

 警察においては、お尋ねのような判断基準は定めていないが、各都道府県警察においては、具体的事案に即して適正に対処しているものと承知している。

四について

 旅券の常時携帯義務に関し、御指摘の諸外国政府に対して照会したところ、在留外国人に対して旅券の常時携帯義務を課している旨の回答があった国は、スウェーデン、デンマーク、フランス、スペイン、ポルトガル、ベルギー、ロシア、中国、韓国、フィリピン、マレイシア、インドネシア、イラン、トルコ、ブラジル及びチリであり、同義務の対象者及び根拠となる法令等は、別表一のとおりである。
 また、右の旅券の常時携帯義務を課している国のうち、旅券不携帯に対する罰則がある旨の回答があった国は、デンマーク、フランス、ロシア、中国、韓国、フィリピン、マレイシア、インドネシア及びブラジルであり、その罰則及び根拠となる法令等は、別表二のとおりである。

五について

 御指摘の執務資料においては、特別永住者(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者をいう。以下同じ。)による外国人登録証明書の常時携帯義務違反に係る外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号。以下「外登法」という。)違反は警察の捜査の対象とならないこと、警察官が特別永住者に外国人登録証明書の提示を求める場合等は常識的かつ柔軟な姿勢で処理すべきこと等、外登法の運用上の留意点等を取りまとめている。

別表一 在留外国人に旅券常時携帯義務を課している国別対象者及び根拠法令等 1/3

別表一 在留外国人に旅券常時携帯義務を課している国別対象者及び根拠法令等 2/3

別表一 在留外国人に旅券常時携帯義務を課している国別対象者及び根拠法令等 3/3

別表二 旅券不携帯に対する罰則がある国別罰則内容及び根拠となる法令等