第151回国会(常会)
質問第四二号
霞ヶ浦における環境ホルモンについての調査研究及び解明等に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成十三年六月二十八日 加藤 修一
霞ヶ浦における環境ホルモンについての調査研究及び解明等に関する質問主意書 霞ヶ浦は、行政、周辺住民、研究者、企業などが水質浄化対策に取り組んでいるものの、目標とする水質には達しておらず、昨年以降は悪化傾向にある。
一、霞ヶ浦における環境ホルモンの調査研究及び解明が急務と思われるが、見解を示されたい。 二、霞ヶ浦の関連地域で環境ホルモン国際シンポジウムを開催すること、その際霞ヶ浦特設コーナーによる研究成果等の展示、並びに霞ヶ浦の特定研究公開を進めることなどは、周辺流域の住民及び企業の霞ヶ浦水質浄化の意識の啓蒙にも役立つと思われるが、見解を示されたい。 三、霞ヶ浦の水質浄化対策として周辺流域の、上・下水道における高級処理などによる、環境ホルモンの除去システムの研究開発の迅速な対応が求められるが、見解を示されたい。 四、霞ヶ浦周辺地域において上・下水道における、高級処理などによる環境ホルモンの除去システムの地域への早期導入を図る必要があると思われるが、見解を示されたい。 五、霞ヶ浦のような閉鎖性水域においては、外部との水の交換が行われにくく汚濁物質が蓄積しやすいため水質の改善や維持が難しい。また発生源の影響の度合いは流域の土地利用や産業構造によって異なる。霞ヶ浦の水質保全のためにも、物質収支に係る総合的な指標を検討し導入すべきと思われるが、見解を示されたい。 六、霞ヶ浦は湖沼水質保全特別措置法に基づく指定湖沼に指定され厳しい排水規制に加え、汚濁物質の除去対策等細かな対策を実施されているが、水質改善の状況は悪化傾向にある。霞ヶ浦の水質改善には流入する汚濁負荷量の削減が必要である。平成九年十一月より五か年計画で行われている霞ヶ浦水質浄化プロジェクトにおいても、新しい知見を加えて対策を強化すべきと思われるが、見解を示されたい。 七、現代社会は、人も生物も多くの化学物質にさらされており、人の健康や生態系への影響は、従来の少数の個別の物質の濃度だけでは全体像をつかむことができなくなってきており、これが環境管理の遅れ及び環境政策の遅れをもたらす原因となっている。多数の化学物質による複合的な影響や未知物質に関しての生物反応をみる総括指標として微生物や魚類などの変化を捉えるバイオアッセイは重要であり、また、新しい化学的総括指標による毒性化学物質の環境管理も求められていると考えるが、見解を示されたい。 八、上・下水道の処理段階でバイオアッセイ等の導入により水質監視技術体系を開発すべきと考える。また、地球表層環境変化や生態系の物質循環についての基本原理とそれを阻害する要因を化学的に解明し、生物における生体機能を模倣したクリーン・プロセス技術の開発を行い、上・下水道に適用することも考えられるが、見解を示されたい。 九、注意欠陥多動性障害などの子どもたちが問題になっているが、霞ヶ浦周辺に限らず子どもたちの実態調査が必要と思われるが、見解を示されたい。 右質問する。 |