質問主意書

第151回国会(常会)

質問主意書


質問第二一号

不良債権の直接償却に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十三年五月一日

櫻井 充   


       参議院議長 井上 裕 殿


   不良債権の直接償却に関する質問主意書

 不良債権の直接償却をすることは、日本の構造改革を進めていく上で非常に重要である。ここで重要な点は、社会的混乱を最小限にするために、政府がどのような措置を講ずるかである。そのためには、不良債権の直接償却によってどのような問題が起こってくるかに関して十分検討する必要がある。
 そこで以下質問する。

一 金融機関が直接償却を行う際、十分な引当金を積んでいなければ、不良債権の処理が円滑に進まず、金融システム不安を引き起こす可能性がある。そこで、これまで破たん懸念先や実質破たん先債権の表面価格に対してどの程度回収できたのかについて調査することは重要であると考えるがどうか。

二 これまでの破たん金融機関の債権の破たん懸念先、実質破たん先債権の回収実績はどの程度か。

三 大手行の直接償却により他の金融機関にはどの程度影響が出るのか。また、大手企業が破たんすることにより中小企業にはどの程度影響が出ると考えているのか。

四 大手行が直接償却すると見込まれる不良債権の額はどの程度か。また、産業別の金額はいくらか。

五 大手行の直接償却が進捗することによって、貸出先の選別等が予想されるが、こうした影響で失業者は今後どの程度増加すると見込まれるのか。

六 不良債権のうち医療機関に関するものの占める割合はどの程度か。また直接償却により医療体制にどの程度の影響が出ると考えているのか。

七 大手行の直接償却は、金融機関の経営改善にどの程度寄与すると考えているのか。

  右質問する。