第151回国会(常会)
質問第一五号
外国人、母子家庭、障害者等の入居差別に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成十三年四月四日 高嶋 良充
外国人、母子家庭、障害者等の入居差別に関する質問主意書 憲法十四条で「すべて国民は、法の下に平等であつて人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とされ、またさらに憲法二十二条において「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」ことが保障されている。しかし実際には、人種や民族、国籍あるいは門地、加えて障害の有無や家庭の諸事情などで、日常的に賃貸住居への入居拒否や入居差別が広く行われている現実がある。不当な入居差別に対して何らかの救済措置が必要であるとの認識から、以下質問する。 一 日本は、人種差別撤廃条約を批准していながら、外国人の賃貸住居への入居が拒否されることが多い。こうした状況を放置していることは、人種差別撤廃条約批准国としての責務を放棄していることにならないか、政府の見解を示されたい。 二 今国会において「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が成立した。しかし外国人、障害者、母子家庭など高齢者以外にも入居拒否や入居差別が行われている現状にかんがみ、賃貸住居に関する差別の実態を調査し救済する法律を制定する必要があるのではないか、政府の見解を示されたい。 三 高齢者の次に入居拒否や入居差別が多い外国人の居住の権利を守るため、人種差別撤廃条約に対応した国内法規を整備すべきではないか、政府の見解を示されたい。 四 以下は実際にあった具体的な事例であるが、これらは人種差別撤廃条約に違反していないのか。また違反している場合には、いかなる救済が可能なのか政府の見解を示されたい。 1 中国人、韓国人の留学生が、調理の際のにおいで部屋に変なにおいが移るとか、汚れるとの理由で入居を拒否された例
五 具体的な例として、大阪大学の留学生の総数が九一五人(一九九九年十一月時点)であるにもかかわらず、大阪大学が管理する留学生会館はわずか一六〇室と極めて少ないことが挙げられる。おそらくほとんどの国立大学、私立大学も同様な状況であると考えられる。留学生の住居の確保には、入居差別等で大変な困難を伴う。こうした留学生の住居の確保についても、政府は何かしらの援助措置を講ずる必要があるのではないか、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |