質問主意書

第151回国会(常会)

質問主意書


質問第六号

米軍泡瀬通信施設の高周波・低周波等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十三年二月九日

照屋 寛徳   


       参議院議長 井上 裕 殿


   米軍泡瀬通信施設の高周波・低周波等に関する質問主意書

 二〇〇〇年五月八日、米軍普天間飛行場内のTACAN(電波発信施設)の屋上で作業中のMLC(基本労務契約)従業員二人が高出力電磁波を浴びる事故が発生した。この事故発生報道に基地労働者はもとより多くの県民が衝撃を受けている。
 高出力電磁波による健康被害が世界的に問題になっている折、基地労働者の労働安全衛生並びに基地周辺住民の健康を守る立場から一刻も早い真相究明と有効な安全対策の確立が求められている。
 私は、去る一月二十四日、防衛施設庁石井道夫労務部長に面談の上、この事故に関する六項目の要請を行った。また、去る二月二日、「米軍普天間飛行場における高出力電磁波事故に関する質問主意書」を提出している。
 ところで、私が石井労務部長に前記要請をしたとの沖縄タイムス、琉球新報の記事を読んだ名護市議会議員大城敬人氏から「泡瀬通信基地の電波問題も調査してほしい」との連絡があった。同氏によると、泡瀬通信施設周辺のフェンスには、和英両文で「警告 高圧無線周波感電及び火傷危険地域」の表示板が設置されている、との指摘であった。
 そこで、去る一月二十六日、私と大城氏、沖縄市議会議員渡嘉敷直久氏、同新垣萬徳氏、同内間秀太郎氏の五人が地元紙記者ら同行の上、泡瀬通信施設をフェンス外から視察した。
 その結果、大城氏が指摘するような警告板並びにフェンスにアース線が複数設営されていることが判明した。泡瀬通信施設周辺は、豊かな干潟が広がり市民の憩いの場となっている。漁業生産の場にもなっている。
 一体警告板は何を意味するのか。泡瀬通信施設から発生する高周波・低周波の電波による付近住民への健康被害が起こっているのでは、と心配せざるを得ない。
 よって、以下の点について質問する。

一、日米地位協定に基づく日米合同委員会で合意された泡瀬通信施設の使用主目的、使用条件並びに施設の概要(所在地、面積、地主数、主用建物と工作物、基地従業員の数、管理部隊名と使用部隊名、兵員の数)を明らかにされたい。

二、『情報公開法でとらえた沖縄の米軍』(梅林宏道著、高文研)によれば、泡瀬通信施設は、高周波・低周波の海軍通信用通信基地であり、この基地が米海軍第七艦隊との交信を始め、沖縄の米海軍の電波送信すべてに責任を負っているとのことである。そこで、泡瀬通信施設の送信する高周波・低周波の電波は国内法の基準、規制どおりか明らかにされたい。

三、「警告 高圧無線周波感電及び火傷危険地域」とは、具体的に誰に、どのような事態を予想しての警告か明らかにされたい。

四、泡瀬通信施設の周辺フェンスは他の米軍基地のものと違い絶縁体による防護ビニール膜がついているが、いかなる理由によるのか明らかにされたい。あわせて、同施設周辺のフェンスにアース線が設営されている理由も明らかにされたい。

五、泡瀬通信施設については、沖縄市から日米両政府に対し返還要請がなされている旨聞き及んでいる。政府は、同施設の返還を米国政府と協議をしたことがあるか、あるならその日時、協議の場及びその内容を明らかにされたい。

六、泡瀬通信施設周辺には、泡瀬漁港があり、近くには沖縄県総合運動公園もあって、西側一帯には新興住宅街が形成されている。政府は、同施設周辺住民の高周波・低周波による健康被害の調査を実施したことがあるか、あるならその詳細を明らかにされたい。また、今後実施する予定があるか明らかにされたい。

  右質問する。