質問主意書

第151回国会(常会)

質問主意書


質問第四号

遺伝子組換え飼料スターリンク再混入に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十三年二月六日

櫻井 充   


       参議院議長 井上 裕 殿


   遺伝子組換え飼料スターリンク再混入に関する質問主意書

 本年一月二十四日、日本に輸出された米国産トウモロコシから、日本では食用・飼料用ともに未認可であり、アレルギーを起こす可能性があると言われる遺伝子組換えトウモロコシ「スターリンク」を再度検出した旨、厚生労働省が発表した。これは昨年十二月十九日、本年一月十五日に発表された混入に続いて三回目のことである。政府は昨年、米国政府と合意を行い、スターリンクの混入防止に努めたはずであるが、それが有効に機能していなかったことが今回の事件により明らかになった。政府は米国側へ抗議を行ったようであるが、二度とこのような事件が起こらないように、より確実な方策を早急に講じなければならない。この問題は日本国民の生命・健康にかかわることなので、一日も早く国民の不安を取り除く必要があると考える。
 そこで、以下質問する。

一 昨年、日米両国政府は、日本に輸出される米国産トウモロコシにスターリンクが混入しないための合意を行ったにもかかわらず、今回の事件が発生したのは、米国側のずさんな食品管理体制が一義的な原因であると思われる。米国側のこのような行為は、日本の威信を傷つけるものであり、日本政府は米国政府に損害賠償あるいは謝罪を求めるべきであるが、政府の見解を示されたい。また、損害賠償あるいは謝罪を米国に求めないのであれば、その理由も明らかにされたい。

二 私の質問主意書(第百五十回国会質問第二三号)に対する平成十二年十二月二十二日付け答弁書の「三について」及び「九について」の中で、政府は、平成十三年四月から輸入作物の適切な検査体制の確立に努めることとし、それ以前においては、スターリンクのみの混入の有無を検査する、としている。しかし、ここで述べられている体制が不十分であったからこそ今回の事件が起きたわけであり、政府は問題の根本的解決を怠ってきたと言える。これについての政府の見解を示されたい。

三 今回のような事件が発生するのを見れば、トウモロコシだけでなく、あらゆる輸入作物について未承認遺伝子組換え作物が混入している可能性がある。政府は、今後、輸入作物のうちその輸出国で遺伝子組換え品も作っているもの全てについて、輸出国と日本において厳しい検査を実施していくつもりはあるか。

四 日米合意の中で、検査体制に懸念が生じた場合、日米が再度協議を行って再発防止に努めることや、合意内容を修正できることが明記されている。スターリンクが再び混入しないよう検査体制を見直すために、政府は米国と協議を行うつもりはあるか。また、協議を行うとすればどのような改善策を打ち出していくつもりか。

五 国民の生命・健康のことを考えれば、当面の対応策として、政府はより安全な食料を確保していくための方策を考えなければならない。米国のように輸出穀物の検査をおろそかにしているような、信頼できない国からの穀物の輸入を削減し、より信頼のおける国から輸入する方向に切り替えていくことを検討するべきだと考えるが、このことについて政府の見解を示されたい。

六 長期的視点で考えれば、食料を外国からの輸入に頼るのでなく日本国内で生産していくのが良策である。そうすれば、食の安全を確保することはもとより、コメ以外の食料自給率が高まってそれらの安定的な確保が図れることに加え、公共事業を削減したときに発生する余剰労働力を農業が吸収することで活性化されることも期待できる。このような観点から、今後、政府は日本国内での食料増産を進めていく予定はあるか。

  右質問する。