質問主意書

第150回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一一号

遺伝子組換え食品問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十二年十一月二十日

櫻井 充   


       参議院議長 井上 裕 殿


   遺伝子組換え食品問題に関する質問主意書

 近年、遺伝子組換え食品が広範囲に流通するようになり、食品の安全性という観点からそのような食品に対して不安の声が高まっている。遺伝子組換えとその人体や環境への影響との因果関係が完全には解明できない性質のものなので、遺伝子組換え食品への対応は最大限に慎重を期さなければならない。
 そこで、以下質問する。

一 二〇〇一年四月より厚生大臣による安全性審査の行われていない食品の製造・輸入・販売などが禁止され、それに併せてモニタリング検査が実施される予定である。この検査はどのような形で行われるのか。検査の段階、規模・範囲、頻度、サンプル数等の概要を示されたい。また、検査結果は公開されるのか。公開するのであれば、どのような形で行われるのか。

二 国外において、遺伝子組換え作物について注目を集めるような研究や論文が発表された場合に、政府はその追試や研究を行っているか。

三 飼料作物を輸入に頼っている日本の畜産業の現状を考えると、家畜への遺伝子組換え作物の影響の有無、とりわけ長期的に摂取した場合の影響を確認することが必要であると考えられるが、政府はこれまでどのような調査研究を実施し、今後どのように取り組んでいくのか。

四 生物多様性条約に基づき在来の植物・種子を保護するために、遺伝子組換え作物が環境に及ぼす影響について政府はどのような調査を行い、どのように評価しているのか。また、環境への影響が国外で報告されている遺伝子組換え作物の国内での栽培を認めるのか。仮に、その作物が一般圃場で栽培された後に環境への影響が認められた場合どのような対処をとるのか。

五 遺伝子組換え食品に関する国際的な基準や指針を策定するコーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会は、日本が議長国を務めており、国際的な議論に大きな影響力と責任を持つ立場にある。政府はどのような姿勢で同部会の議論に臨んでいるのか。

六 コーデックス委員会の一般原則部会では遺伝子組換え食品の議論でも焦点となる予防原則の考え方について議論が行われている。政府は予防原則に対してどのような見解を持っているのか。

七 遺伝子組換え農作物の今後の開発の方向として、低アレルゲン性や特定の栄養素の強化など、食品としての付加価値を目的とするものが作られていくことが予想されるが、これらの作物は組換え前の作物とは明らかに異なる種であり「実質性同等性」には該当しないと考えられる。この点に関して、政府はどのような見解を持っているか。

  右質問する。