第150回国会(臨時会)
質問第一〇号
原子力エネルギーの経済性の再検討に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成十二年十一月十六日 清水 澄子
原子力エネルギーの経済性の再検討に関する質問主意書 資源エネルギー庁が昨年十二月に公表した「原子力発電の経済性について」(以下「資源エネルギー庁試算」という。)につき、本年四月十二日に質問主意書を提出し、同年五月十六日に答弁書の送付を受けた。それによって疑問のいくつかは解消したが、なお独断的な前提条件を置いていることが推察される。
一、答弁書の「五について」及び「別表」において、核燃料サイクルの各工程の取扱い燃料量当たりの単価が示された。また、答弁書の「六について」及び資源エネルギー庁試算では、発電電力量当たりの各工程費用の単価が示されている。
1 鉱石調達・精鉱
二、答弁書において取扱い燃料量当たりの単価が示されていなかった「運転中廃棄物」及び「解体廃棄物」の取扱い燃料量当たりの単価はいくらになるか。また、資源エネルギー庁試算に示されていない運転中廃棄物の処理・処分費用、高レベル放射性廃棄物の貯蔵費用及び処分費用は、発電電力量当たりの単価でいくらになるか。 三、原子力エネルギーは、電力としてしか利用できないため、その経済性は、電力の需要特性をも考慮して評価する必要があると考えるが、政府の認識を示されたい。
四、答弁書の「七について」では、在野の専門家などによる再検討は不必要であるかのように答えているが、納得し難い。例えば財団法人日本エネルギー経済研究所が一九九八年七月二十二日に開催した第二十七回エネルギー夏期大学において発表された「発電コスト計算諸表」では、原子力発電施設解体費をケース1で三百十一億円、ケース2では九百億円とし、口頭では一千億円以上かもしれないと説明されたという。そうした不確かさは、資源エネルギー庁試算ではどう考慮されたのか。 五、また四に関連して、資源エネルギー庁試算にいう「解体廃棄物」の処理費用には、解体作業にかかる費用も含まれているのか。含まれていないとすれば、どこに含まれるのか。また、その「取扱い燃料量」、「取扱い燃料量当たりの単価」及び「発電電力量当たりの単価」はいくらになるか。 六、政府も答弁書「七について」で、「平成七年度試算の結果もあくまで一定の条件の下でのものである」ことを認めており、本質問三や四において指摘した観点などを総合的に勘案した場合、原子力エネルギーの経済性に関する認識は再検討する必要があると考えるが、政府の見解を伺いたい。 右質問する。 |