質問主意書

第150回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

中川秀直官房長官が日本青年社に対し礼状を送付した件に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十二年十月四日

小川 敏夫   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   中川秀直官房長官が日本青年社に対し礼状を送付した件に関する質問主意書

 日本青年社の機関紙「青年戦士」七・八月合併号(二〇〇〇年七月二五日号)一面に、「石原慎太郎都知事『尖閣問題を語る』のビデオテープ贈呈に国立国会図書館、中川秀直内閣官房長官から日本青年社に感謝の手紙」という広告が掲載されている。
 贈呈されたビデオは、本年五月九日、「アイメッセ山梨」で開催された「中尾栄一を支援する総決起集会」における石原慎太郎東京都知事の講演を編集したもので、石原知事は、「魚釣島に灯台をということで、純粋な右翼学生が頑張り、我々もこれを支援した。これを聞きつけ、意気に感じてくれた立派な右翼の日本青年社が行き、ちゃんとした灯台をつくり、これを正式なものにしようということで、運輸省と相談しながら手を加えて仕上げた」などと持論を展開している場面を内容とするものである。
 言うまでもなく、尖閣問題は日中間の極めてセンシティブな外交問題であり、政府高官の行動は、当該ビデオが政府の見解であると混同・誤認されることがないよう、慎重を期すべきである。
 したがって、次の事項について質問する。

一 中川官房長官が日本青年社に対し礼状を出したのは事実か。国立国会図書館への寄贈に対し、官房長官が礼状を出した例は過去に存在したか。

二 中川官房長官は、当該ビデオを見たか。あるいは、ビデオの内容を把握しているか。

三 当該ビデオが国立国会図書館に寄贈されたことに対し、官房長官名で礼状を出すということは、政府が石原知事や日本青年社の主張を肯定したと受け取られる可能性もあるが、中川官房長官にそのような認識はあったか。

四 中川官房長官は、日本青年社とどのような関係があるのか。また同団体の実態をどのように認識しているか。同団体の滑川裕二副会長とは親しいのか。

五 日本青年社の滑川裕二副会長が、中川官房長官に対し、同長官のいわゆる愛人問題等に係る内容証明郵便を送付した事実はあるか。あるとすれば、当該内容証明郵便に摘示されている内容について、交渉等を行った事実はあるか。また、当該内容証明郵便送付及びその処理と前記礼状送付は何らかの関連があるのか。

  右質問する。